ターン21 歯車たちの不協和音
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支配者の咆哮を放つ。
「大刃禍是の効果。召喚及びペンデュラム召喚時、フィールドのカード2枚をバウンス。俺が選ぶのは俺自身の天?、そして青木のビッグバン・シュートだ」
2つの竜巻がその叫びに追従するように巻き起こり、ロベルトの指定した2枚のカードを天高く巻き上げる。だが、これにより失われたカードは2枚ではない。吹き荒れる風にも負けず対峙していた究極完全態が突然苦しみだし、その6本の足でもがきながらも抵抗空しく次第に姿が消えていく。その様子を冷静に観察しながら、青木が種明かしを行う。
「私の手札にビッグバン・シュートが戻ったことにより、そのもう1つの効果を発動します。このカードがフィールドを離れたことで、装備モンスターはゲームから除外されますよ」
これこそが彼らの狙い。妖仙獣の得意とするバウンスは強力ではあるが、メインデッキに投入されているカードに対しては相手の手札を増やしてしまうことにもなる。特殊召喚モンスターである究極完全態に対してはそれでも十分な封じ込めではあるのだが、手札コストやレベルを生かしたトレード・インの弾にでもされては目も当てられない。
ならばどうするか?さらに手の届かない場所、除外ゾーンへと追いやってしまえばいい。カード種類を問わない大刃禍是のバウンス能力に、ビッグバン・シュートの持つ特異な効果。これらを組み合わせることで、それが可能となる。ロベルト1人のデッキにはそんなギミックを詰め込むだけの余裕がなくとも、青木の力を借りればそれも可能となる。バトルロイヤルという形式をとっているとはいえ、事実上タッグを組んでいるこの2人だからこそ可能なコンボといえるだろう。
「続けるぞ。修験の妖社の効果を発動、妖仙カウンター3つを取り除きデッキより妖仙獣を手札に。応えよ、左鎌神柱!そしてこの左鎌神柱を、そのままレフトPゾーンにセッティング」
修験の妖社(3)→(0)
光の柱と共に空中に浮かび上がる、青い鬼の面が取り付けられた巨大な鳥居の片割れ。当然それだけではペンデュラム召喚は不可能だが、ロベルトの狙いはそこではない。これは展開に繋げるための挙動ではなく、布陣を固めるための守りの一手。場の妖仙獣の破壊に対し1度だけ身代わりとして機能する左鎌神柱を置くことで、返しの反撃に備えようというわけだ。
ソーラー・ジェネクスがダメージを与え、大刃禍是が場を荒らす。次のターンには再びサーチ効果の使える天?を手札に抱え、リンクリボーと左鎌神柱により最低限の防御も確保したことで、もはや勝負の大勢は決したといっても過言ではない状況。
しかし。たった1ターン、それだけで十分だった。
「これは……」
震えた青木の声が、風に流れて消えていった。その横ではロベルトが、拳を
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