070話 文化祭編・開催3日目(05) ネギの思い至った答え
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その時代……もしくはさらにその悲劇に関連する歴史の時空に行かなかったのか…? いままで超さんの未来まで人類が築き上げてきたすべてを否定して無かったことにしてしまおうとすることが、果たして本当にこれからの私達の未来にとって最良なのか……。私には分かりかねます…」
夕映さんはそれで一回目を瞑って、その後になにかの写真を開いて見ていました。
「ここで士郎さんならもっと正しい事をネギ先生に助言できたと思うです。おそらくですが、士郎さんは話によるとこの世界にくるまでに様々な困難な出来事を体験したと思います…」
ここで士郎さんの話が出てくるなんて思っていなくて、僕は胸が締め付けられる思いに晒されました。
おそらく麻帆良祭後に見せてくれるといった士郎さんの過去…。
そこには僕の今欲しい答えもきっとあると思いますから。
「……以前にエヴァさんの別荘で少しですが見させていただいた士郎さんの上半身に刻まれていた数々の傷の痕…。
そして私の荒唐無稽な妄想として流してもらっても構いませんが、そこから連想できることは、士郎さんは自身の正義を正しい事だと信じてひたすら走ってきましたけど、それでも士郎さんの住んでいた世界は士郎さんの行いを否定して、追い詰めて、追いやって……ボロボロにされて、イリヤさんとともになんとか麻帆良に逃げてきた超さんとは違いますが、どこからかやってきた異世界人なのではないでしょうか…?」
夕映さんは「私の推測にすぎませんが…」と継ぎ足しの言葉を述べていました。
確かにそうだ。なにも最初から士郎さんは強かったわけではない。
おそらく仕方がなく力を付けてきたのだ。
正義を行うにはまず自身も鍛えないといけない…。
そして、夕映さんの話もあながち間違いじゃないかもしれない。
士郎さんやイリヤさんはこの世界にはない術を使う。
だから異世界人というのは、合っているかもしれない。
「士郎さんの話は今は頭の片隅に置いておいてください…。話は戻りますが、嬉しい事、哀しい事…、受け入れがたい悲劇…起こってしまった後はもうすでに過ぎ去ってしまった過去になります。受け入れなければ先にも進めません…。ひとは誰しもそんな過去の痛みを乗り越えて、それでも最良な未来を突き進んでいるです」
それで僕は自身の過去を思い浮かべる。
悪魔に襲われてしまった村。石化されてしまった人々。
僕はそれを振り払うかのように、魔法の勉強に没頭して怖さから逃げて、それでもここまで突き進んできました。
その痛みは忘れられません。忘れようがありません。
「そして、超さんは未来でとてつもない悲劇に襲われたのではないか、と…。ですが、それでもそれは“超さんにとっての悲劇”であるには変わりありません。それを理由に過去を改変してしまおうというのは間違っている
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