幕間1 一人の天才と一人の狂人
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れることはない。そして、サーヴァントを連れたプレイヤーがどうゲームに生かしていくかも私は興味がある」
男はクックッと嬉しそうに肩を揺らしながら言う。
「自らの欲望のために聖杯を求めるか。はたまた聖杯を必要とせずただ平穏な日々を求めるためにサーヴァントを使うか…楽しみだ」
男はそう言うと茅場へと視線を戻す。
「そう言えば君に一つ頼みがあるのだが」
「頼みだと?」
「ああ、どうしてもマスターとなったプレイヤー達を見てみたくてね。私もあの世界へと足を踏み入れることを許してほしい。もちろん、ただでとは言わないがね……」
茅場は自らの世界を実現するために「ソードアート・オンライン」を作り出した。
そして自らもプレイヤーとしてこの世界へ旅立つつもりだった。
だがこの男はゲームに参加するのではプレイヤーを見るためだけにあの世界に生きたいと言い出した。
それも不気味に笑いながら。
「…何が狙いだ?」
「なに、私は右も左もわからずにマスターとなってしまったプレイヤーの手助けをしたいと考えていてね。拠点を建ててくれるとありがたいのだが」
茅場は訳がわからなくなった。
考えを巡らせるがなかなか男の考えていることにたどり着けない。
「そうだ。どうせなら君にもサーヴァントを一騎支給しよう。私が考えうる中でも強力なサーヴァントだ。これなら文句もあるまい。まあ君が必要ないというなら無理にとは言わんがね」
男はそう提案してくる。
確かにサーヴァントという強力な駒を手に入れられることは魅力的である。
茅場はしばし考える。
「……分かったよ。君のお願いを聞こう」
「ふむ、ありがたい」
「ただし、間違っても君がゲームの攻略に参加することは止めてくれ。あくまで傍観者として参加するのなら私は君をこの世界に送ろう。それと私に支給してくれるというサーヴァントだが、ゲームがある程度進むまで私に預けるのは待っていてくれないか?時がきたら直接連絡しよう」
茅場はいくつかの制限をつけることで男の頼みを聞くことにした。
この訳のわからない男が攻略になど参加したら何が起こるか分からない。
下手すればゲームが根本から崩される可能性だってある。
そして男が支給してくれるサーヴァントだが、この男が何の考えもなしに自分に力を貸すとはとてもじゃないが思えなかった。
なので、ギリギリまで粘ってからサーヴァントを受け取ろうと茅場は考えていた。
「ふむ、いいだろう。私は傍観者としてマスターの支援をしよう」
「そうしてもらえると助かる」
男と茅場は一先ず話を終える。
「さて、それではそろそろお暇させていただこう」
男はそう言うと画面から離れていき、歪んだ空間のある一端で言葉を継ぐ。
すると何もなか
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