第65話
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ら、その忠誠を裏切るような事は決してありません。」
「姉様……」
「……僕はエリゼさんの気持ちは理解できます。皇太子殿下お付きの護衛を任された時…………例えどのような苦境があろうとも、命に代えても皇太子殿下をお守りするつもりだったのですから……」
「クルトさん……」
エリゼとエリゼの答えに同意しているクルトの様子をエリスとアルフィンはそれぞれ複雑そうな表情で見守っていた。
「ましてや今回の戦争……ハッキリ言って”エレボニアに勝ち目は万の一つもありません。”メンフィル・クロスベル連合とエレボニアを和解させる事が絶望的かつ昔の戦友達や家族を敵に回し、挙句祖国から”反逆者”扱いされた可能性も十分に考えられるという”リィンさん達自身にとっては救いようのない未来と結果”が訪れる可能性があったのですから、今回の戦争に関してリィンさん達が紅き翼側につく等ありえませんし、リィンさん達自身もそのことを自覚していますから、”リィンさん達が今回の戦争で紅き翼の元に戻ってくることは絶対にありえません。”」
「…………っ。」
「……………………」
「ハッ、結局はてめぇら自身の身が可愛いからって事じゃねぇか。」
「だが、それが正論であり、今の私達にはそれを否定することはできない…………リィン君達は”エレボニア帝国の戦争相手であるメンフィル帝国を祖国としているメンフィル帝国人”だからね。」
「ったく、オレが言うのもなんだが、正直オレの時よりも厳しいだろうな、リィン達の件は。」
ステラの指摘にトワとフィーが辛そうな表情を浮かべている中、アッシュは鼻を鳴らして皮肉を口にし、アンゼリカは重々しい様子を纏って答え、クロウは疲れた表情で溜息を吐いた。
「うふふ、そういえば”Z組”のメンバーに”トリシャ・レーグニッツ”の親類がいる事はステラは知っていたかしら?」
「ええ、リィンさん達から”Z組”の面々について教えて頂いた時に。」
「”トリシャ・レーグニッツ”…………?」
「フム、名前からして間違いなくマキアス君の関係者なのだと思うのだが……」
「もしかして…………マキアスの話にあったマキアスやマキアスのお父さんが昔お世話になっていた従姉の事?」
小悪魔な笑みを浮かべたレンの問いかけにステラが頷いている中、トワは不思議そうな表情で首を傾げ、アンゼリカは考え込み、マキアスの事情をある程度知っていたフィーは真剣な表情で訊ねた。
「はい。――――――ちょうどいい機会ですし、マキアス・レーグニッツさんへの伝言をお願いします。『アーサー兄様との婚約破棄後のトリシャ様についてマキアスさんが知らない真実がありますので、その件を知りたいのでしたら今回の戦争後にメンフィル大使館を通して私に連絡を取るか、レン皇女殿下達から教えてもらってください』と。」
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