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レーヴァティン
第百四十話 空の前哨戦その十

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「将兵を粗末にするなら」
「そのうち人がいなくなるな」
「人は作物と違うでござる」
「ああ、ボコボコ出るものじゃない」
「この世界では復活で生き返らせることが出来るにしても」
 それでもというのだ。
「確かな訓練を受けて実戦を経験した将兵は財産でござる」
「幾らもいる訳じゃないからな」
「復活しても死ねば痛いでござる」
「だよな、どうしても」
「その痛みがわからないなら」
「人の痛みをわからないとな」
 そうした人間はとだ、久志も応えた。
「もうそれだけでな」
「この世界を救える人か」
「そんな筈ないな」
「そうでござる、だからこそ」
「今は敵でもな」
「将兵は降れば」
 その時はというのだ。
「受け入れてでござる」
「こっちに組み入れてな」
「戦ってもらうべきでござる」
「そうして俺達は半島も湖南岸の諸勢力や古王国の兵を使ってるしな」
「それでこの大軍でござる」
「だったらな」
 それならとだ、久志はまた言った。
「今もこれからもな」
「敵の将兵を降していくでござるな」
「それでこっちの軍勢に加えていくな」
「連合王国の将兵達も」
「全員な」
 まさにというのだ。
「そうしてくな」
「それでは」
「よし、じゃあ全軍な」
「これよりでござるな」
「セビーリャの方にあらためて進んでな」
 そうしてとだ、久志は仲間達に話した。
「そのうえでな」
「湖上での決戦でござるな」
「ああ、敵の艦隊との戦闘に入って」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「その敵艦隊をでござるな」
「打ち破るな」
「そうするでござるな」
「そしてな」
「セビーリャにでござるな」
「上陸だよ、ただな」
 ここでだ、久志はさらに話した。
「敵艦隊の配置をな」
「それをなのね」
「ああ、戦の前にもう一度な」
 留奈に対して話した。
「確認しておくか」
「そうしてよね」
「戦に挑むな」
「それがいいわね、やっぱりね」
「戦の前にはな」
「しっかりとな」
 まさにというのだ。
「敵のことをわかっておかないとな」
「そうそう、私も実はね」
「そう考えていたよな」
「ええ」
 その通りだとだ、留奈は久志に微笑んで答えた。
「そうだったわ」
「それじゃあな」
「皆で確認しましょう」
「そしてだな」
 久志の声は強いものになっていた、そしてそのうえで彼は仲間達を司令室に集めて湖図を卓の上に開いた。
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