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レーヴァティン
第百四十話 空の前哨戦その七

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「この浮島の技術では高射砲といったものはです」
「ないからな」
「水上では高角砲といいますが」
 この呼名で艦艇に搭載されていた、そうして機銃座と共に対空攻撃に対して使われていたのである。
「近代の兵器ですから」
「本来はな」
「二次大戦中の」
 即ち航空機が世に出て戦争に投入されて確固たるものになってからのことだ。
「一次大戦の時ですらありませんでした」
「そうだったからな」
「はい、ですから」
「この浮島の技術だとな」
「存在する筈もありません」
「そういうことだよな」
「はい」
 こう久志に話した。
「残念ながら」
「まあな、開発しようにもな」
「この浮島の技術、魔術や錬金術を使っても」
 科学以外の技術をというのだ。
「無理があります」
「そうだよな」
「浮島によってはドラゴンやペガサスがいて」
「下の世界にもいるんだよな」
「そう文献にはありますね」
「それでドラゴンナイトやペガサスナイトもいるな」
 こうした兵種も存在しているというのだ。
「何でも」
「そうした兵種ならです」
「空船にも対応出来るな」
「空には空です」
「何といってもな」
「確かに我々は敵に倍する空船を持っていて」
 そうしてとだ、源三は久志に話した。
「こうして水上から対空攻撃を行っていますが」
「この浮島の技術レベルだとな」
「これが限度です」
「そういうことだな」
「これから発展させるべきですが」
 それでもというのだ。
「やはりです」
「今の時点だとか」
「これで、です」
「妥協するしかないか」
「そうかと」
「厳しい現実だな」
「仕方ないです、では」
 それではとだ、源三はさらに話した。
「このままです」
「水上から攻撃を続けるか」
「空のものとも連動して」
「そうするか、あと通常砲弾は撃てないな」
「かなりの高角度で撃ちます」
 それ故にとだ、源三はその対空砲撃の際の問題点についても話した。この場合注意すべきは何であるかをだ。
「そうなれば砲弾が落ちる時に」
「こっちに来るな」
「そうなりますから」
 だからだというのだ。
「途中で爆発する爆裂弾や火炎弾をです」
「使ってるな」
「こちらに砲弾が落ちては」
「敵を攻撃するどころかな」
「味方を売ってしまいます」
「そうだよな」
「ですから」
 対空砲撃の場合はというのだ。
「途中で爆発するか燃え尽きる」
「爆裂弾か火炎弾か」
「それを使わねばなりません」
「そうだよな、仕方ないな」
「これも、では」
「ああ、高い砲弾も使うんだ」
 その爆裂弾や火炎弾をというのだ。
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