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ソードアート・オンライン 八葉の煌き
八葉の剣聖と閃光の少女
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もしなかった。台風のような勢いでベットにしばきたおされてある意味地獄のような治療を受けた。他人は羨ましがって天国とか言ったが俺はあえてこう言おう。あれは治療ではなく処刑だと。ベッドから出ようとしただけで頭上を音速のレイピアが通過して特上の笑顔で笑うのだ。その彼女をもし見たら絶対にファンの八割が尻尾を巻いて逃げ出すに違いない。
残る二割は異常性癖(マゾ)だ。絶対そうだ。
…話を戻そう。
この世界で料理と言えば街中のレストランにある西欧風?なのか知らないがそう言った料理を食すのが一般的だ。別段不味い、とは思わない。
だが料理スキルを極めたアスナの料理を口にした瞬間からとてもじゃないがそんな物を口にしようとは思わなくなった。その事を本人に伝えると「あんなに止めろって言ったのに…」と言ってむくれた。謝っても中々許してくれなかった。
「シェフ、今日のメニューは?」
「特製ソースのサンドウィッチ。」
「お、あれか。」
ただ、それでも俺は中々料理スキルの偉大さが理解できなかった。だが、ある日コイツがマヨネーズや醤油を作り出してしまったのには流石に平伏した。あれに関して言えばこの世界の何処を探しても作れる奴はいまい。少なくとも俺は懐かしさの余り感動の涙を滝のように流した。俺たちの間では盗み聞きされても話題にならないよう特製ソースだとか秘伝のタレとしか言わない。本人もそれで商売する気はないらしいし、慣れてしまえば物事を隠すのは簡単だ。
「むぐむぐ...美味いな。相変わらず。」
「そりゃあ練習したからね。」
「まあな、ここまでにするのにはすごい時間がかかったもんな。最初の頃なんか暗黒物質を作っちゃって……」
「それは始めたばっかの頃でしょ!」
アスナに小突かれながら、俺達は笑った。これも二人で決めた事だ、この世界で明るく生きていくためにできるだけ笑おう、と。そのお陰か俺が「まっくろくろすけ」と内心で呼んでいる男みたいに躍起になってレベルを上げるような真似はしていない。…少なくともアスナは。俺はなぜか異様に高い。別段必死になってあげているわけじゃないが、血盟騎士団としては珍しくソロでの活動を多く行なうからだろうか?思えば4人以上でパーティを組んだ事などボス戦以外では一度もないかも知れない。大抵アスナと俺の二人でなら何とかなる場面ばかりだったからだ。そうでなければ血盟騎士団の副団長など務まりはしない。
「……………ふぅ、食った食った。ご馳走様。」
「お、偉いぞ。ちゃんとそういう風に食後の挨拶ができるようになったね。」
「なんだその言い方は。お前は俺の母親か。」
「いいじゃないそのくらい…そろそろ町に戻らない?」
「あ、もうこんな時間か。結晶使うのも勿体無いし歩いて帰るか。」
「うん……あ。」
そう言ってアスナがキョロキョロと辺りを見渡した。

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