第4話
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怯えながら、勇気を持って俺を助けてくれたのだ。力のある俺が、そんな事で諦めてどうする。
俺は、まだ戦える。
「・・・・・・オラァっ!!!」
『ぐはぁっ!?』
立ち上がるや、直ぐさま助走をつけてガラ空きのアナザービルドの横腹に飛び蹴りを浴びせる。 アナザービルドが吹き飛ばされるのを横目で見遣りながら、彼女の身体を抱き抱えて、肩を揺する。
「琴音、しっかり!」
「・・・ァ、ラタ?」
弱々しくも、確かな声で俺の名前を呼んだ事に安堵する。俺は琴音の腕を自分の首背で支えて立ち上がる。 同じタイミングで、アナザービルドが憤慨を露わにする。
『貴様ァ・・・・・・!!!』
「・・・・・・」
アナザービルドに睨まれても、恐怖心も迷いも今の俺にはない。俺は琴音を守るように前に立って、アナザービルドに立ち塞がる。
多分、もう琴音の元には戻れないだろう。今から俺はヤツと同じ存在となり、同胞を手にかけるのだから。それでも・・・・・・
「ラブアンドピース。ですよね、戦兎さん」
そう呟いて、俺はアナザージオウウォッチを起動する。
《ZI-O・・・・・・ 》
愛と平和の為に。俺に手を差し伸べてくれる人の為に俺はこの力を使う。
『Are You Ready? 』
腹部に現れたドライバーにウォッチを差し込んだと同時に。
幾つもの声が重なり、俺の耳にそんな言葉が届く。 それを俺はーーー
「・・・・・・出来てるよ」
《ZI-O・・・・・・!》
決意を込めた言葉と共に、アラタはアナザージオウへと変身した。既に臨戦態勢へと入ったアナザービルドを横目で見ながら、アナザージオウは琴音の方を一瞥する。
「・・・・・・アラ、タ?」
『・・・・・・ゴメンね。行ってくる』
琴音は信じられない、と言った表情でアナザージオウ |《俺》 を見つめてくる。
だが、それでも構わない。ともアラタは思えた。 アナザージオウは視界をアナザービルドへと見据えて、咆哮をあげる。
『・・・・・・うぉおおおおおっっ!!!』
アナザージオウとアナザービルド。2人の異形が全く同じタイミングで肉薄する。お互いがお互いの信念を貫く為に、目の前の敵を倒すべく拳を振るった。
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