第一部
Tough Boys
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摺り足の運びで間を詰める。
先手は翔。
今までよりも速くステップイン。
「そらよ」
ストレートのようなジャブ。
込められた力も今までで一番。
だが紫闇には脅威でも何でもない。
彼の魔晄防壁が膨れて球状に変化したところで翔の左拳が激突する。
硬質な音が響く。
黒鋼流・三羽鳥ノ一【盾梟/丸魔】
通常の盾梟よりも堅い。
直接攻撃してきた相手はぶつけた手足が衝撃で痺れてしまうこともザラだ。
「どうだい堅剛の味はッ!」
紫闇は近付いて腕を掴む。
「良い防御。しかし詰めが甘い」
動かない。
紫闇は関節技を極める為に必要な体勢に入って後は技を掛けるだけだと言うのに翔の真っ直ぐ伸びた腕はビクともしなかった。
彼は左腕一本で全身から出るパワーと体重に逆らい紫闇の服を掴み取ってしまう。
「耐えて見せろ立華」
翔が掛けた言葉の意味は解らない。
しかし良くないことなのは解る。
紫闇の視界がブレた。
翔は左手で紫闇を捕らえたまま左ジャブを繰り出し魔晄を流し込む。
ただ揺らされるだけなら紫闇は耐えた。
しかし体へと流入する魔晄は紫闇の魔晄と反発し総身を荒れ狂いながら蝕ばむ。
左腕が振られてシェイクされる毎に魔晄の影響が強くなるので堪ったものではない。
(相手が江神だったなら想定内だけど橘花だと想定外だったな。うんざりするほど強ぇ。あらゆる面で俺の上を行きやがる……!)
紫闇は音隼/双式を発動。
魔晄で四枚二対の翼を出す。
手の平と足の裏からも噴射。
無理矢理に翔の腕を振り解く。
「ああ〜気持ち悪い。気功を体内に食らったらこんな感じなのかね。しっかしクッソ強いし底が見えないからどうしたもんか……」
宙に浮いた紫闇は吐き気を堪える。
そして次にどうしたら良いか考えるのだった。
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