帰還(2)
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ーファが一体何を見て、一体何を感じて泣いているのかがわからない。
けど奇妙に晴れやかな二人の様子に動けなくなる。
「――でも今日だけは、なんだか素敵だなって思えました」
シリカが俺に向かって指を伸ばしてきた。小さな指が俺の頬に触れる。何かを掬うように頬をなぞった指は、極寒にあってとても温かい。
シリカとリーファが透き通るような笑みを浮かべた。
「キリトさんは、気がついてないかもしれませんけど」
シリカは俺の頬から指をはなして掲げる。
そしてシリカが、雪の落ちる音にとけてしまうくらい小さな声でこう言った。
「泣いて、ますよ……」
シリカの指は涙で濡れていた。
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