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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
緋神の巫女と魔剣《デュランダル》 V
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投げかけながら、俺たちは口を噤んだままでいた。
「戯言だろうがなんだろうが構わない。とどのつまり、俺は君に選択の余地を与えているのだけれど。これが最後の質問だよ?」
「……ならば、開戦の前に」
《魔剣》は一拍置いて、告げた。
「教えてもらおう。何故、貴様たちがこの場所を把握できたのか。理子が介入してきたのか。その理由を」
「お易い御用、だね。知りたければ教えてあげるよ」
ただし──。
「この騒動に、終止符を打ってからの話だがね」
「どうあっても、この場で教えるつもりは毛頭ないということか。私も舐められたものだが……、ふむ。いいだろう」
「どちらに転んでも教えてあげるようにはしてあげているのだから、そのところ、感謝してほしいね」
──さぁ、それでは
前奏曲
(
プロローグ
)
を始めようか。
そう嘯くように、俺は《緋想》の柄に手を伸ばす。無音で抜刀されたそれは、非常灯の紅に光射して床を照らした。
刹那、感じている全てが、まるで《緋想》の刀身の如く明瞭に感じられた。研ぎ澄まされた、視覚、聴覚、嗅覚。一点の汚れもない、酷すぎるほどに澄んだ世界。
これは《明鏡止水》が発動されたことの証左に他ならない。
背後では、アリアが二丁拳銃のガバメントを抜き様に構えた。
キンジは予備弾倉とのリロードを済ませ、残弾に余裕を持たせる。両者とも毛頭、《魔剣》を逃がす気はないのだ。
視覚的に把握したわけではないが、聴覚的に分かる。
「……ふむ」
俺たちの動向を確認するかのように、《魔剣》は呟いた。
そうしてそのまま、顔全体を覆うフードを外し、ケープマントを無造作に脱ぎ捨てる。
露わになるのは非常灯に照らされた雪肌と、蒼玉色の瞳と、銀髪の長髪と、背に
西洋大剣
(
クレイモア
)
を携え、甲冑に包まれた、その身?。
端正な顔付きを見れば、純日本人でないことは明らかなのだ。西洋人。そして俺は、《魔剣》の出で立ちを知っている。
何で知ったのか──無論、司法取引での例の資料だ。
「1対3というのはどうにも私に分が悪い、のだが……あらかじめ忠告しておこう。ただの武偵は、私に勝てない。私が誰であるのか、何であるのか、知らないとは言わせないが」
「あぁ、勿論知っているとも。だから俺たちは、君を逮捕しにきた。穴は埋めてある」
「やはり、如月彩斗。貴様が──」
《魔剣》が言わんとしていることは、既にこの場にいる誰の目にも明らかだ。目には目を、歯には歯を──超能力者には超偵を。
超偵とはいったい誰なのか。……自分自身だ。
超能力を扱う武偵。以前、白雪に教えてもらった、彼女等が定めた虚構の枠組みに大別すれば、俺は超偵に他ならない。
ただ惜しいのは、同
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