第2話
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「ぅっ・・・・・・!!」
見殺しにした者、俺が置き去りにしてきた者達からの、そんな呪詛のような言葉が頭を過ぎる。同時に猛烈な吐き気を感じたが、俺はそれを寸でのところで堪えた。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
ココで吐けば、どれだけ楽だったろう。ココで死ねば、どれだけ楽なのだろう。
だけどそれはしてならない。俺が置き去りにしてきたものの為に、狂ったこの世界で抗い、散った人達のためにも、逃げる事は許されない。
もし、俺が最後に勝ち残って、この世界の王となったなら。
やるべき事をやり切って、然るべきこの世に蔓延る全ての呪いを一身に背負おう。
それが死ぬべき時に生へと逃げ、異形たる力を得てしまった俺の責任だ。
だから、それまでは。
「・・・・・・逃げる訳には、いかないよな」
俺はズシリと重くなった腰を上げて息を吐き、再びアテもない道を歩いて行く。死者たちの鋭く突き刺さる視線を一身に背負って。
そんな俺の先を暗示するかのように、厚い雲に覆われた空から、太陽が微かに行く先を照らした。
──
先程までアナザービルドとアナザージオウの戦闘が行われた場所の時間が止まる。景色も、風も、何もかもが。
刹那、3人組の男女がバグのように現れるる。
1人は整った顔立ちの美少年。
1人は長身に長髪の、スカートを穿いた少女。
そして、ノースリーブの長身の大男。
3人に共通する事としては──奇抜な服装を着ている事と、王を擁立させる導き人──ーということくらいか。少年──『ウール』は、つまらなそうな表情を浮かべて愚痴をこぼす。
「仮面ライダー達の力を20人に与えてから2年。ようやく誰かが倒れるかと思ったんだけどなぁー」
「それよりもアンタのビルド、押されっぱなしだったじゃない。選んだ人間を間違えたんじゃないの?」
「うるさいな、オーラ。彼にはまだまだ奥の手があるからね。・・・・・・大体、君の人選の方がイかれてるよ」
ウールは口を開いて、嫌味たらしく言う少女──『オーラ』に嫌味で返す。オーラは髪を靡かせていたが、そのウールの言葉が気に食わなかったようで。
「はぁ? 私のカワイイライダー達の何処が悪いっていうのよ? アンタのライダー達殆ど狂化しててつまんないのよ」
「そのライダーに選んだ者を、自分の身体を使って調教してる君がよく言うよ」
「私は自分が気持ちよくなれればそれでイイだけ。ついでに王座も取れれば一石二鳥よ」
「このビッチが」
「このクソチビが」
「低脳な口喧嘩は控えろ」
身長差のあるウールは見上げ、オーラはそれを見下ろすことで睨み合っていると、最後の大男──
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