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曇天に哭く修羅
第一部
火花
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の様相を見た翔は少し驚く。

準決勝までの外装とは変化していたから。


(以前は黒い籠手だった)


しかし今は紫で不気味かつ怖ましい。

それでいて闇の如く深い光を放つ。


(あの光は外装に流れる【魔晄(まこう)】か?)


準決勝よりも一段強くなっている紫闇に何が起きているのか考えた翔は心当たりに辿り着くと会場に居る人間の気配を探ってレイアを見つけた。


(成る程。会長には聞いていたが、どうやら彼が外装を改造したらしいな)


しかし翔は一笑に付す。

所詮は付け焼き刃でしかない。


(今の立華なら対処できる範囲だ)


これまでの試合と同じく外装は出さず。

それで勝てるから。


「別に橘花は外装出さなくても良いぜ。江神と戦うのは俺なんだからな」

『最後の戦いが、一年の頂点を決める戦いが、始まるぞおおおおおおおおッッ!!』


二人は構えて待つ。


『開幕だあああああああッッ!!!』

「お前には負けねえぞ橘花」

「俺も負ける気は無い」

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