Another Riders War
第1話
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い物をまるで自分の物のように振る舞い、人間を傷つけ、虐げ、殺していく。 男は例外なく殺し、女は犯し、尊厳を奪い、殺す。
尤も、ある意味アラタもそんな奴らと同じ存在なのだが。
そして立ち寄った先々でまた、目の前で何度繰り返されたか分からない光景が俺の目に映る。
それは、一方的なまでの蹂躙。 銃を持った10人の人間による一斉射撃をものともせず、赤と青の禍々しい仮面ライダービルド・・・・・・『アナザービルド』は1人、また1人と薙ぎ払っては殺し、ボトルを向けて人間を吸収していく。
周りを囲っていた9人の兵士達は消え失せ、アナザービルドはその中で唯一生き残っていた少女へと狙いを定める。
『次は・・・・・・お前だ』
「いやっ・・・・・・! 来ないで ・・・・・・!」
少女の懇願など聞く耳も持たず、アナザービルドは距離を縮める。
本当ならば今すぐにでも助けなければ行けない状況。
「・・・・・・」
しかし、アラタは見て見ぬ振りをした。怖かったからでも、足が竦んだからでもない。己の自身の意思で、見限った。
この世界は弱肉強食。強い者が生き残り、弱い者は死ぬ。俺もそう言い聞かせて、多くの人間を手に掛けた。 だから気にかけることはないと、踵を返そうとして。
ふと、地面に尻餅をついていた小さな少女がアラタに気づく。その少女は恐怖に震えながら、口を微かに動かす。
『助けて』と。
今にも消え入りそうな声で、そう呟いた気がした。飽きるほど聞いた命乞い。でもその言葉は何故か俺を動かして、その女とアナザービルドの間に立ち塞がらせる。
『・・・・・・何のつもりだ、キサマ』
「さあ。俺が一番知りたいよ」
何故身体が動いたのか、それについては今やどうでも良いことだ。現に、後ろにいた女の子もスキをついて逃げ出し、目の前にいるアナザービルドにも自身の存在を把握された。
『・・・・・・退け。 でなければ次はキサマだ』
殺伐とした環境に身を置いていたせいで慣れつつあるが、殺意の篭った敵意を向けられるのには慣れそうにもない。 同種でも、少しばかり脚が竦む。 それを精一杯の強がりで隠しながら、俺は問う。
「なあ、お前は何を望む?」
『は?』
「俺達に力を与えた奴等が言っていただろう。『最後に勝ち残ったアナザーライダーが、新しい王として、この世界に君臨する』ってな。アンタはどんな王になりたいか、気になってな」
アナザービルドは一瞬だけ俺の質問に面を食らったようだったが、それもカカカッ、と口を開く。
『あぁ? そんなモンどうだっていいんだよ。俺は選ばれたんだ、仮面ライダービルドとしてな! この力があれば、俺を見下していた奴らも皆ぶち殺せるっ!! 最高
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