Another Riders War
第1話
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野上良太郎のような、己の信念を曲げぬ意志の強さもなく。
紅渡のような、親子に渡り受け継がれていく絆もなく。
翔太郎やフィリップのような、愛する街を守るために戦うハードボイルド精神があるわけでもなく。
火野映司のような、目の前にある手を掴むためなら自分を惜しまない狂気を胸に秘めているわけでもなく。
如月弦太朗のような、仮面ライダー部や天ノ川学園高校の全校生徒とのドデカイ友情や絆があるわけでもなく。
操真晴人のような、絶望を希望に変える魔法があるわけでもなく。
葛葉紘汰のような、誰も見捨てずに泣きながら前に進む強さがあるわけでもなく。
泊進ノ介のような、市民を守る強い正義感があるわけでもなく。
天空寺タケルのような、命を燃やして戦う覚悟があるわけでもなく。
宝生永夢のような、目の前の患者を救う為に、自分自身から生まれ、人を殺めたパラドを共に償うという形で許すドクターとしての信念もなく。
桐生戦兎のような、愛と平和の為に大きな力を皆を守る為に使う正義のヒーロー精神があるわけでもなく。
門矢士のような、世界の破壊者であろうとも世界を巡る旅をしているわけでもなく。
常磐ソウゴのような、今を生きる民の為に最高最善の魔王になるという強く優しい欲望があるわけでもなく。
彼はただテレビで彼等の活躍を見て、その姿に憧れただけの、ただ子供だったのだ。 そんな彼が、安易にライダーの力を手に入れられることなんて、あるはずが無いのに。
たかが20年。されど20年。 歴代平成仮面ライダー達が命を懸けて戦ってきた歴史の重さを、彼は何処かで軽んじていたのだ。
瞬間瞬間を必死に生きた者達。凸凹な時代を、枷に縛られることなく想うがままに駆け抜けてきた平成ライダー。
一視聴者でしかない、普通の彼が安易に強大な力を求め、手に入れたら。
ライダーもどきの怪物に成り下がる事は、ある意味当然だったのかもしれない。
ある日、突然投げ出された殺伐とした非日常に投げ出され。
命のやり取り。
心無い罵声。
拒絶。
ただの青年だった彼を変えるには、それで十分過ぎたのだった。
──
アラタがこの世界へ渡ってから2年が経った。
この世界は、俺を含めた20体の『アナザーライダー』の存在によって崩壊寸前まで追い込まれてる。 紛い物でも、「仮面ライダー」の力をある程度所有しているアナザーライダーの猛攻は、人間達の抵抗も紙屑も同然。
アナザーライダーの力を手に入れた奴らは、何奴も此奴も、借り受けただけに過ぎな
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