Another Riders War
第1話
[2/5]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た、正義のヒーローに。
『契約完了、だな』
フードの被った男がその下でほくそ笑んでいた事も知らずに、俺は異物として俺知る世界に限りなく近い別世界へと飛ばされた。
現実を突きつけられたのは、それから転生して間も無くの事であった。 新しい世界に降り立ってすぐ、俺は人が怪物に襲われているのを発見した。 俺は無我夢中で謎の男から渡されたアイテムを使って変身して交戦した。怪物を退けた後、俺が未だその場に固まっていた人の元へ歩み寄ると・・・・・・
『嫌・・・・・・来ないで、化け物っ!!!』
「あ、おいちょっと待てよ!?」
俺が助けた人は、俺を化け物と罵り脇目も振らずその場を走り去っていく。 状況の呑み込めない俺は困惑する最中、不意にひび割れた鏡に自分が変身した姿を映りこんだのを見たと同時に、ジリジリと後ずさる。
──違う。
「なんだよ、これ・・・・・・!?」
──違う・・・・・・!!
映し出される鏡には、俺の変身した姿は俺の知っている「仮面ライダー」とは程遠く禍々しく、まるで怪人のようで。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっ!!!!!!!?」
『ZI-O・・・・・・』
アラタは変わり果てた己自身に対して、ただただ震え、恐れ、絶叫を上げることしか出来なかった。
俺があの男から貰ったのは、仮面ライダーではなく、 ライダーもどきの怪人だったのだと、ようやく悟った。
──
何故彼は「仮面ライダー」ではなく、「アナザーライダー」なのか。それは、余りに単純明快な事だ。
彼には、単に素質がなかったのだ。仮面ライダーたるに相応しい素質が。
五代雄介のような、みんなの笑顔を守るために涙を仮面の下で隠して、拳を振るう優しさがなく。
津上翔一のような、皆の未来を守るために戦う決意もなく。
城戸真司のような、目の前にいる人を守るために戦う純粋なる願いもなく。
乾巧のような、戦う罪を背負う覚悟もなく。
剣崎一真のような、友も世界も救うために己を異形に出来るほどの自己犠牲もなく。
ヒビキのような、己を鍛鉄する努力もしたことなく。
天道総司のような、天の道を行き全てを司る程の、運命を掴む力もなく。
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ