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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十一話 決戦!!ヴァーミリオン星域会戦です その4
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ミュラー艦隊のさらに後衛をフィオーナ、バーバラの2個艦隊が務めていた。その2個艦隊と相対するのは、アンジェの指揮する正規艦隊群である。これは当初戦っていなかった艦隊であり、余力と気力を持て余している精鋭たちであった。
如何に、フィオーナとバーバラが緩急自在な指揮ができるといっても、手ぐすね引いて待っていた予備兵力と連戦続きの自軍とでは勝負は明らかだった。
「もう駄目・・・・・」
開戦前2万余隻を数えたフィオーナ艦隊、そして開戦前15,000隻を数えたバーバラ艦隊は既に半数近くまで減っている。それでも何とか持ちこたえているのは両将の指揮と統制力だったが、それも限界に近づいてきていた。
「あっ・・・・!!」
フィオーナが叫んだ。ミュラー艦隊に対し、別の自由惑星同盟艦艇が体当たりで襲い掛かってきている。いつの間にかワープアウトしてきたのか、それとも手いっぱいの自分たちをしり目に悠々と通過していった正面艦艇の一部なのか、わからない。
ミュラー艦隊は応戦を始めるが、敵の勢いは尋常ではない。
『フィオーナ!!』
「どうしたの!?」
『行って!!ここは私が抑えるから、行って!!ミュラーを助けてあげて!!』
「駄目!!そんなことをすればあなた一人になるわ!!」
『構わない!!』
「私がミュラーのことを心配しているのだったら――」
『違うわよ!!ミュラー艦隊が消滅すれば、ラインハルトの本隊にもろに攻撃が来る!!それでは遅いのよ!!』
フィオーナは迷った。だったらバーバラが行けばいいとも思った。数の上ではまだ自分の艦隊の方が多い。1万を割り込んだバーバラ艦隊では4万隻を数える正面の敵を抑えることはできない。
『行って!!フィオーナ、行って!!』
「・・・・・・」
『私の代わりに・・・・ラインハルトを守って・・・・!!』
フィオーナはミュラー艦隊の方を見た。オーラを通して感じられるのは、次々と打ち減らされ、鉄壁と呼ばれるミュラーが崩されていく姿だった。もうぐずぐずしてはいられない。
「バーバラ・・・ごめんなさい!!」
『主砲、斉射、3連!!』
答える代わりに、凛とした声が聞こえてきた。バーバラはまだ抵抗をあきらめていない。
「全艦隊、ミュラー艦隊の援護をすべく、この戦闘宙域を離脱します!最大戦速!!」
離脱するフィオーナ艦隊をバーバラ艦隊が掩護する。敵が攻勢をかけてくるが、バーバラは奮闘した。彼女は艦橋にあって、大音声で麾下たちに叫んだ。
「最後の最後まで、絶対に、抜かせない!!フィオーナ艦隊が離脱するまで、何としてもこの場を死守する!!」
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