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魔法使い×あさき☆彡
第六章 六番目の魔法使い
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せる。

(いち)(きゆう)かなあ」
「ど、どっちが一でどっちが九なのお?」

 ちょろと鼻水の出た顔を、さらにぐーっと寄せるものだから、その鬱陶しさにカズミが切れた。

「っせえなああ! さらりいっただけの台詞に、真剣に食い付いてこなくていいんだよ!」

 両手でアサキの首を掴むと、そのままガクガクと揺さぶった。

「アホちゃうのか、自分ら」

 慶賀応芽は、ふーっとまたため息を吐いた。
 腕を組んだまま、しかめた面を彼女らへと向けて、また口を開く。

「あのな、さっきの新人どうこうゆうんは冗談や。そんなんで首を締め合うなやボケ。……おっちゃんのゆうことにはな、経験豊富な三年生が卒業して二年生だけで戦力がガタ落ちしとるから、ってのが大きな理由らしいねんで」
「はあ? 二年生だけで戦力がガタ落ちいいいい?」

 カズミは、アサキの首を掴む力にぎゅぎゅぎゅーーっと力を込めた。

「ぎゃーーー! なんでぞででわだしの首を締べるのおお?」
「うるせえな。掴みやすい首があるからだよ!」

 首締め映像を背景に、
 慶賀応芽のいったことや、カズミの不満そうな態度、それがどういう意味なのかを説明しよう。

 まず、去年の天王台第三中学校所属の魔法使いは、三年生と一年生だけというアンバランスな構成であったということ。

 今年度になり、三年生は卒業していなくなり、治奈やカズミたちは一年生から二年生に上がった。

 新一年生に適合者がいなかったということもあり、現在は二年生だけである。

 高校生になった魔法使いは、通う高校と自宅という二つの守備テリトリーを任されることが多いのだが、しかし今回の卒業生たちの自宅テリトリーがことごとく隣のエリアであるため、治奈たちは二年生だけで戦うことを余儀なくされているのである。

 卒業していった昨年度の三年生が、非常に優秀な魔法使いであったため、校長には現在の戦力がことのほか頼りなく思えてしまう。
 ということなのだろう。
 (りよう)(どう)()(さき)という新戦力程度では、とても払拭出来ないほどの。

 普段は、「さすが」「ここの二年生は一騎当千」などと持ち上げているくせに、実際には頼りなく思われていたとなれば、カズミでなくとも不満に思うのは無理のないことだろう。
 もちろん戦力が多いに越したことはないが、それはそれとして。

「つうか関西女、お前だってその頼りない二年生だろうが。それとも留年してんのかあ?」

 と、これはさすがに、イチャモンもはなはだしいところであろうが。

「しとらへんわ留年なんか! あたしは特別なんや! 小学生の頃から組織(ギルド)におって、ヴァイスタを倒すための特殊訓練を受けてきたんやか
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