第六章 六番目の魔法使い
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だねえ君い」
さっと伸びたカズミの手に、がっしり胸ぐらを掴まれていた。
そんでもって、ぐいーーーーーっと締め上げられいた。
「ぐ、ぐるじっ、ガ、ガズビぢゃん問題児じゃだいっ! 優等生だっ!」
「遅えわあ、こんクソボケがあ!」
叫びながらさらに力を込めて締め上げると、アサキの顔がみるみるうちに青くなっていく。
慶賀応芽は、聞こえるような大きなため息を吐くと、どんと足を踏み鳴らした。
「自分ら、主賓を無視して三文芝居みたいなコントに走るんいい加減にしとけや! なんやなんや、魔法使いは仮の姿で、実は単なるお笑い集団か!」
「誰が主賓だよ誰が。エジプトのシュフィンクスみたいな顔をしやがって」
お笑いといわれたことに腹を立てたか、カズミはアサキの首から両手を離すとぎろりん慶賀応芽を睨み付けた。
「ねえカズミちゃん、シュフィンクスってなあに?」
スフィンクスなら知ってるけどお、と真顔を寄せて、真剣に尋ねるアサキ。
……せっかく、首締め解除してもらったばかりだというのに。
「うるせえな! 勢いで口から出ただけで、そんなもんいねえよ!」
ボガッ。
「あいたあっ!」
やはり、こうなった。
カズミが全身全霊の力を込めて、アサキの頭部をぶん殴ったのである。
「話を戻しますが、校長はどうして慶賀さんのことを秘密にしていたのでしょうか」
正香が、誰にともなく問う。
真面目な話をしたかったのだろうが、後ろでアサキが屈んで頭を抱えてウオオオオと激痛に呻いており、台無しであった。
「なんでじゃろな」
さっぱり分からんわ、と両腕を広げてみせる治奈。
「分かったあ! いつもみんなでゴリラゴリラいってるから、きっとナルハたちのことが嫌いなんだよ」(大正解!)
「はあ? 子供じゃあるまいし。単に話をするタイミングの問題じゃろ」(残念、不正解!)
「でもよ、新人だったらアサキのバカがいるのにな」
「そうだあ!」
アサキはやけくそ気味に右腕を突き上げた。
自虐なのかなんなのか。
「人事の経緯はよお知らへんけど、その新人が足を引っ張りまくったりしとって、その埋め合わせちゃうの?」
慶賀応芽は、口を押さえながら、にひひっといたずらっぽく笑った。
「ガーーーーーン!」
アサキは両手で頭を抱えながら、昭和な擬音を発し、ガクリ跪いた。
「頑張っているのにいいいい!」
「そうだぞお。うちのアサキっちゃんは、期待の成長株なんだからな。バカなとこは残念ながら一生直らないだろうけど、それはそれとして」
「カズミちゃあん、それ褒めてるのかけなしてるのか分からないんだけどお」
ぬーっと立ち上がって、情けない顔をカズミへと寄
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