第六章 六番目の魔法使い
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う》和咲です。どうも、よろしくね」
こわばった笑みを浮かべながら、右手を出した。
と、突然顔を苦痛に歪めた。
ぎゅうううううう!
慶賀応芽がアサキの手を掴んで、絞り上げるように全力で握ったのである。
「いたたたたた! なっ、なにするんですかあ!」
「これが大阪の、仲良うしたってやあの握手なんやあああ!」
多分、嘘八百である。
「骨が砕けるう! やめてえええ!」
ぎゅぎゅぎゅぎゅう!
「ひゃあああ、カズにゃんより酷いのが入ってきたあ……」
成葉が、口に手の先を入れておどおどしている。ちょっとわくわくしているような気も、しなくもないが。
「そうだなあ。……ん?」
うんうん頷くカズミであったが、あれ、と気付いて成葉の顔を睨み付けるのだった。
3
先ほどからフェンス越しに、屋上からののどかな町並みを見下ろしていた慶賀応芽であったが、
「愚問やな。……そらあ必然に決まっとるやろ」
フロックコートみたいな制服で、くるりスカート翻して振り向くと、五人の顔を見ながら小馬鹿にするかのような笑みを浮かべた。
「必然やとすると、導き出される結論はただ一つやろ。アホでも分かるこっちゃ」
「つまり、お前も魔法使いってことか」
昭刃和美の言葉に、慶賀応芽は顔に浮かべた笑みを強めた。
「つうかこの話、おっちゃん、ここの校長から聞いてへんの?」
笑顔から、不意に訝しげな表情になり、声を低くして尋ねる。
「そがいな話、うち一回も聞いとらんけえね」
明木治奈が、ちょっと間抜けな大声を出した。間抜けというか、不満げというか情けないというか。
「ナルハもだよお。だから、なんだかんだ偶然このクラスに入っただけかと思ってたあ」
平家成葉の声が続く。
「わたくしは、必然とは思いましたが、単に、他のクラスには問題児が多いから均等にしようということかと考えていました」
淡々と述べるのは大鳥正香だ。
問題児呼ばわりされて、ああ?と片目を見開き凄む応芽であるが、
「いやいやあ、それは変だよお!」
アホ毛、いや赤毛の、まあアホ毛も生えているから間違ってないが、アサキがすっかーんと抜けるような声を出した。
「だって、カズミちゃん以上の問題児なんかいないでしょーーー」
上手い指摘をしたつもりなのか、赤毛でアホ毛の少女が得意げな顔をしながらそういった瞬間、
「ははは、いい度胸
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