その44
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まった。
「サスケ君に似てるのは、今のイタチさんだと思いますよ。いっつも可愛いサスケ君そっくりで、すっごく可愛いです。兄弟なんだなって実感しました」
その途端、その場には痛い程の沈黙が落ちた。
そして。
「ぶははははは!そうか、そうか。君の目にはそう見えるのか!わははははは!」
「ナルト君…」
シスイさんがお腹を抱えて大爆笑し、イタチさんが掌に顔を埋めて撃沈した。
そうして。
笑い過ぎて涙を滲ませながら、うちはシスイはこちらの心臓が止まる一言をあっさりと放ってきてくれました。
私の頭に手を伸ばしながら。
「お前の弟に似ていても、やっぱり女の子だな!良く見ている」
言い放たれた言葉の内容と、初対面の人間にくしゃくしゃと頭を撫でられる二重の衝撃に、思わず思考も体も硬直する。
その時だった。
「気付かれてましたか」
「まあな」
さらりと再び告げられたイタチさんの肯定に、思わずばっとイタチさんを凝視する。
そんな私に、うっすらと照れを滲ませたままのイタチさんが、ばつが悪そうに申告してきた。
「よく隠しているとは思うが、君の動きは女の子の物だ。何より、君は母さんの手伝いをする方が、俺やサスケと修行をするより好きだろう?俺もサスケも、母さんの手伝いよりも、修行の方が好きだ」
ぐうの音もでない理由で見抜かれた原因を告げられた私は、動揺して沈黙した。
ミコトさんだけじゃなく、イタチさんにも見抜かれちゃってるんだとしたら、そうしたら、サスケ君にも?
そんな動揺が顔に出ていたんだろう。
二人きりの時、ごく偶にしてくれるように、ふんわりと、優しく頭を撫でて、ほっと安心できる一言をイタチさんは告げてくれた。
「安心していい。サスケはまだ、君の事には気付いていない」
食い入る様に見つめ続ける私に、イタチさんは頷いてくれた。
だから、ちょっと、おじいちゃんやミコトさんにするみたいに甘えてみた。
「ナルトでいいです」
「え?」
「イタチさんも、僕の事、サスケ君みたいに呼んでくれてもいいかなって」
ぎゅっと服の裾を掴んで、上目遣いで顔色を窺ってみる。
その途端だった。
「シスイさん」
何故かイタチさんがうちはシスイを呼んだ。
「ん?」
にやにやと成り行きを見守るうちはシスイがイタチさんに応えた瞬間だった。
「助けてください」
うちはシスイに、イタチさんが助けを求めた。
途方にくれたイタチさんの声に、うちはシスイが何か答える前に、化け物の私が、調子に乗ってしまった事に気付いて、イタチさんから離れてすぐさまおねだりを取り下げた。
「ダメなら諦めます。無理を言ってごめんなさい」
でも、ちょっぴり悲しくて、じんわりと涙が滲みかける。
イタチさんと過ごすうちに、ちょっとだけ私のお兄ちゃんみたいだなとちょっと思っちゃってたの
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