その44
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ミコトさんに呼ばれて夕飯を一緒にして、そのままお泊りしない時は、うちは家の人の送迎が、ミコトさんの言い付けで恒例になった頃でした。
フガクさんだと、もう殴られることは無いと思うけれど、緊張が取れずに警戒してしまうけれど、イタチさんの時はちょっと嬉しくて楽しみでした。
サスケ君が一緒の時もあったので。
で。
今日はイタチさんの日で、サスケ君は居ない日でした。
そういう日は、一言二言アカデミーでのサスケ君の様子を尋ねられ、私がそれに答えて、満足げなイタチさんと穏やかな時間を過ごすのが常態になってました。
今日も、言葉少なにサスケ君の様子を尋ねられ、いつものように腕白で天真爛漫なサスケ君の振る舞いを機嫌良く教えてあげていた時。
知らない人のチャクラの匂いがして、思わず口を噤んで警戒する。
けれど、チャクラの匂いからすると、うちはの人のようですし、ちょうど里とうちは一族の領域外に差し掛かって、後は山を登るだけなので、少し考えてイタチさんに申し出ました。
「イタチさん。どなたか一族の方がイタチさんに用があるみたいです。今日はここで別れましょう?送ってくれてありがとうございました」
いつものようにぺこりと頭を下げてお礼を言った時でした。
「まいったな。気配は完全に断っていた筈だったんだが…」
隠れて私達の様子を窺っていた人が、敵意の無い事を示すように、わざわざ物音を立てて瞬身してきた。
顔を出して困ったように小さく頬を掻く癖毛の男の人に、イタチさんが珍しくサスケ君のような声で名前を呼びました。
「シスイさん!」
思わずそんなイタチさんの様子と呼ばれた名前に目を瞬かせ、ついつい眼球の有無を確認してしまった。
その途端、ばっちりと、正面からうちはシスイと視線が合って、驚いて、思わず慌ててイタチさんの影に隠れた。
ついついイタチさんの服の裾に縋りつつ、ダンゾウに右目を奪われて殺される前の、生きて、無事でいるうちはシスイをじっと観察する。
その時だった。
じっと私を見つめたまま、うちはシスイはイタチさんに確認してきた。
「その子がうずまきナルトか」
「ええ」
あっさりと打ち解けた様子でイタチさんが肯定する。
面白そうに含み笑いながら、うちはシスイは大変複雑で微妙な評価を私に下してくれた。
「お前の弟に似ているな」
お前の弟。
この場に弟の居る人間はイタチさん一人。
つまり、イタチさんの弟に似ていると。
イタチさんの弟のサスケ君に。
この私が。
以前も下された覚えのある評価に、なんとも微妙な表情になっちゃうのは止められません。
「シスイさんもそう思いますか」
「ああ」
自分と同意見を貰えた事に、喜色と甘えを滲ませるイタチさんは、本当にまるでサスケ君のようで可愛らしい。
なので、ついつい黙っていられずに嘴を挟んでし
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