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NARUTO 桃風伝小話集
その40
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んな姿に、ふと、サクラの気が緩んだ。
「うん。ちょっとね…」
「本当に元気ないわね。何があったって言うのよ。任務中に失敗でもしたの?」
「違うわよ!でも、中らずと雖も遠からず、ってとこかも…」
「……私でよければ、アンタのその失敗談、聞いてあげなくもないわよ?話してみなさいよ」
「……うん」
イノにそう促され、同時に、イノもまたある意味サクラの同志である事を思い出し、だからこそ無関係ではないとサクラは思った。
イノも、知るべきだろう。
イノも、サクラと同じようにサスケの事が好きなのだから。
「サスケ君って、もしかしたらナルトの事が好きなのかもって。結構本格的に現実味を帯びて来ちゃったっていうか。私がサスケ君の背中を押しちゃったっていうか…。そういう感じの失敗で、ちょっと落ち込んでたのよ」
「え。サ、サスケ君絡みなの!?ちょっと、サクラ!どういう事よ!詳しく話しなさいよ!」
「あのね、ナルトって、本当は女の子だったらしいの」
「なあんですってえええ!?」
「なのに私、サスケ君の前でナルトを女の子らしく着飾らせちゃったのよね。あの子、実は結構胸があって、腰は細くてスタイル良かったし。サスケ君、ナルトに見とれちゃっててさ。ちょっと、失敗したなあって、さ」
ふう、と溜息を吐いた時だった。
「ナルトは、ナルトはどこよーーーー!!!!許さないわよーーーーー!!!!」
「って、イノ!?」
突然、雄叫びをあげて駆け出していったイノの背中を呆然と見送り、サクラははっと我に返った。
そういえば、ナルトの本当の性別については、火影命令が関係していた。
迂闊に誰かに漏らすべきではなかったかもしれない。
そうじゃなくても、本当は臆病で警戒心が強いらしいナルトにとっては、かなりデリケートな問題である事には間違いない。
ナルトの了解も得ず、誰かに話すべきでは、絶対になかった。
「ど、どうしよう……」
思い込みが激しく、猪突猛進な所があるイノのあの勢いだと、まず、確実にナルトを問い詰めて騒動を起こすに違いない。
時、既に遅しではあるのだが。
思わずサクラは重ねてしまった失敗に、更なる自己嫌悪に襲われる事になった。
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