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NARUTO 桃風伝小話集
その40
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通行人とは、言い得て妙だとサクラは思っている。
でも。
「ナルトって、何者なんだろう…」
体型を誤魔化すあれこれを取っ払い、きちんと身体にあった下着を着けさせ、サクラがサスケに選ばせた服を着せて、サスケの前に押しやった時にサスケに浮かんだ表情を思い出し、サクラは思わず零す。
意外とナルトは出る所がしっかり出ていて、なかなかスタイルが良かった。
思わず素直に妬ましさが浮かぶほどに。
火影命令だったとはいえ、よくもまあ、あれだけのものを、いつもあそこまで抑え込んでいたものだ。
騙されてしまっていた。
とは言え、サクラ自身も成長期真っ只中だ。
いつか必ず肩を並べたり、あるいは勝ち誇れる程の物を手に入れられるはずだ。
多分、きっと。
おそらくは。
普段、取りすました表情で毒舌を吐いてばかりいるナルトが、女物の下着や服装に戸惑いと困惑を隠さず、面白いくらいに取り乱して狼狽える姿が面白くて、ついついナルトを着飾らせる事に夢中になってしまったが、あれは失敗だった。
今でも少し後悔している。
せめて、サスケは巻き込むべきではなかった。
まだ、幾らかの緊張が残るナルトとの関係の緩衝材として、スリーマンセル仲間という関係を盾に、ナルトとの仲が良いサスケも巻き込んだ行動を取ったのだけれども。
着飾ったナルトの姿を目にしたサスケを見たサクラの胸に浮かんだ、とてもとても不穏な捨て置けない予感が、いつまでもいつまでも消えていかない。
目を見張ってナルトに見惚れて、うっすらと柔らかい微笑みすらサスケは浮かべていたのだから。
サスケ自身、気付いていなかったのだろうけれど。
しかも、サクラがサスケに何かを促す前に、サスケはナルトに肯定的な感想を述べていた。
自主的に。
ナルトはそんなサスケの感想に、疑心暗鬼になっていたようだけれど。
本来の性別通りの姿で、アカデミー時代から続く息の合った仲の良さを見せるそんな二人の間にいるのが辛くなって、その場で解散して逃げ出してしまったのだが、今更ながらに後悔が浮かんで来る。
サスケを巡る、最大最強のライバルを、自分の手で作り上げてしまったような、そんな懸念が消えていかない。
ナルト自身を着せ替え人形にするのは楽しかったので、そこに後悔はないのだけれど。
でも。
深々と溜息を吐いて、項垂れた時だった。
「あーら、サクラじゃなーい。何してんのよ、こんなところで一人で」
サクラにとって、とても大切で、だからこそ負けたくないと思う大切な親友に声をかけられた。
「イノ…」
「どうしたのよ。アンタ、なんか元気ないんじゃないの?」
一方的にイノに喧嘩を売って、そんなサクラの相手を律儀にしてくれているイノが、気の乗らない素振りを見せるサクラに僅かに心配そうに眉を潜めた。
サクラに気遣いを見せてくれるイノのそ
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