暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO 桃風伝小話集
その40
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
スケがナルトを嫌っていたりするようなら、サクラも期待を持ち続ける事が出来たのだが、どう考えてもナルトはサスケの事が好きにしか見えない。
サスケに至っては言わずもがなだ。
ナルトの場合は、少々、その好きに疑問が浮かぶけれど。
なんとも言えないもやもやを抱えながらも、幼馴染み故の距離感だろう、と、必死に自分を騙して波の国での任務を乗りきったが、任務を離れた後のナルトの行動には参ってしまった。
まるで、捕らえられた動物が、知らない人間を警戒するかのように、サクラに対して距離を取り始めたのだ。
それだけならまだいい。
その逃避先にナルトはサスケを選んでいた。
もう一つあげるなら、ナルトにそんな態度をとられるのは、サクラだけではなくてカカシもだと言うことだ。
サクラとて、初めは自分への当て付けか、嫌がらせの何かなのかと思った。
けれど、自分と同じようにナルトに避けられているカカシが、人に懐かない野良猫と、その子にうっかり餌をやって懐かれちゃった通行人みたいだね、と、ナルトに盾にされたサスケとナルトのやり取りを見て苦笑しながら零したのを見て、ふと気が付いたのだ。
ナルトは、あんなに懐いているサスケにだって、一定の警戒を滲ませていて、こっそりサスケの機嫌を伺っているような所があると。
そして、そうなって初めて見えてきた物があった。
ナルトの、自分やカカシを見る瞳の奥には、怯えがあった。
それに気付いた時、サクラは頭を殴られたような衝撃を受けて、訳が分からなくなった。
だって、ナルトには、下忍として班が同じになってから、キツい事ばかりを言われて来ていたのだから。
そんな張本人が何故?と疑問を募らせて、突然ナルトに声をかけたカカシに驚いたナルトが、サスケの背中に隠れてカカシを見上げた時の表情に気が付いた。
サクラにも覚えのある表情だった。
アカデミー時代のナルトは、いつも笑顔で人当たりが良い振る舞いばかりだったから、全然気付かなかった。
本当に、ちっとも気付かなかったのだ。
ナルトの表情は、イノの背中に隠れていた時のサクラと全く同じ物だった。
思い返してみれば、ナルトは里全体の人間から爪弾きにされていた。
アカデミー在学前に、里の女の子達に爪弾きにされていたサクラと同じように。
そんなサクラが変わる事が出来たのは、全身でいじめられているサクラを庇ってくれるイノが居たからだ。
けれど、そんなサクラとナルトの違いは、サスケはナルトを全面的には庇っていないという事。
そしてナルト自身も、サスケを頼る事を良しとしていないという事。
それでも、無意識の逃避先としてナルトはサスケを選んでいて、サスケもそれを承知していて、ある程度の目溢しをしている。
何となく、そんな関係のように見えた。
カカシの言う、野良猫と、うっかり餌付けしちゃった
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ