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レーヴァティン
第百三十九話 西への出航その十三

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「今回の戦の拠点に使うやろ」
「それならな」
「ほんまにな」
 実際にというのだ。
「出来る限りにしても」
「無傷でな」
「手に入れてな」
 そうしてというのだ。
「今後に活かすな」
「連合王国との戦にな」
「若し破壊したら」
 セビーリャの街をというのだ。
「拠点がなくなるからな」
「そや、これまでもそやったやろ」
「街を攻略してもな」
「それが無傷やないとな」
「意味がないからな」
「田畑があっても荒れてたらな」
「それで駄目だしな」
 意味がないというのだ、荒れた田畑を手に入れても。
「だから俺達は村も荒らさないしな」
「略奪暴行は厳禁で、でござる」
 進太も言うことだった、それも強く。
「破壊もしない」
「軍律は厳しくしてよかったな」
「さもないとでござる」
「ここまでいけてなかったな」
「そうでござる、街や村をそのまま手に入れて」
「今後に活かすべきだからな」
「戦は政の中にあるでごわす」
 政治の問題を解決する為の一手段、それに過ぎないというのだ。進太もこの考えが頭に完全に定着しているのだ。
「だからでござる」
「セビーリャもな」
「出来るだけ無傷で、でござる」
「手に入れる様にするか」
「そうするでござる」
「是非な」
 久志も進太のその言葉に頷いた。
「そうしていくな」
「湖での戦に勝った後は」
「どうしてセビーリャを無傷で手に入れるか」
「そのことが問題でござる」
「だよな、考えて戦っていくか」
 久志は強い声で言ってシーフードとトマトのスープを飲んだ、ブイヤベースに似ているがまた違った味だ。
「今度も」
「そうしていくでござるよ」
 進太は久志のその言葉にまた頷いた、そうして。
 船団をセビーリャの方に夜も進ませていった、十五万を越える大軍を乗せた大船団は夜も昼も湖の上を進んでいった。


第百三十九話   完


                 2019・11・23
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