第一章「参戦!新戦士テイルドラゴン!」
第1話「参上!新たな戦士」
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…」
「分からない……。一体何で……」
コブラギルディを見ると、牙は更に鋭くなり、毒液のようなものを滴らせている。顔つきは凶暴になっており、広がった頚部には禍々しい模様が浮かんでいる。
最大の特徴は、その身体全体を黒い靄のようなものが包み込んでいる事だ。
「グガァァァァァァ!!」
雄叫びを上げて俺たちを睨み付けるコブラギルディ。一歩づつゆっくりとこちらに歩みを進めてくる。
「殺ス……。オ前タチハ、ココデ、殺ス!!」
喋り方までカタコトになってるぞ……。何だ?まるで何かに取り憑かれたようだ……。
『総二様、愛香さん、何が起きているんですか?総二様!愛香さん!』
クソッ……ヤバい……。身体が動かない……。このままじゃ……。
「おい、アイツ何か強いぞ……」
「負けるな、テイルレッド!頑張ってくれ!!」
「お願いレッド!立ち上がって!!」
「ブルー!負けないで!!」
ギャラリーの声が聞こえる。今日の敵は何かが違うと悟ったらしい。
数は圧倒的に少ないけど、珍しくブルーへの声援も聞こえる。隣を見れば、愛香が顔を上げた所だった。
今日は珍しく応援されて、その顔はいつもより自信にに満ちている気がした。
「そう……だ、俺たちは……」
「負ける……わけ……に……は……」
俺たちが立ち上がろうとした瞬間、
「ガーラガラガラァァァ!!」
それよりも早くコブラギルディの毒牙が俺達を襲う。
腕を交差させて防ごうとした、その時だった。
「させるかぁぁぁぁぁ!!」
ドゴォッ!
飛びかかってきたコブラギルディの顔面に、真横から飛び蹴りが叩き込まれる。
「ガーラガラガラガラァァァァァ!!」
不意を突かれたため、派手にぶっ飛ぶコブラギルディ。
驚く俺たちの前に着地したのは、黒いロングコートにサングラスを掛けた男だった。
「お前は……」
「ここは俺に任せて、ちょっと休んでろ」
この声……まさか!?
愛香も同じことを考えたらしい。驚愕の表情を浮かべている。
「ヒロ兄……なんで……」
「おっ?その声、やっぱり愛香か。って事は俺の予感、見事に的中してたってわけね」
男……いや、ヒロ兄はそう言って笑うと、コブラギルディの方に向き直った。
「何故ここに居るのかって?そりゃあ、戦う理由があるからに決まっているだろ?」
起き上がったコブラギルディは、ヒロ兄を認識すると舌打ちする。
「ッ!?マタ貴様カ!」
「ちょこまか逃げやがって。だがもう逃がしはしないぞ!!」
また?アイツ、ヒロ兄を知っているのか?
「今日コソハ、貴様ヲ、排除スル!」
「やれるもんならやってみな!」
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