第五十七話 卒業式その十
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「あっという間なんだよ」
「そうよね、今そのことを実感してるわ」
「これからお家に帰るんだな」
「もう準備出来てるの?」
「その為におぢばに帰ってきたんだ」
「お母さんも一緒に帰ってきたのよ」
お母さんも言ってきました。
「だからこれからね」
「もう参拝はしたな」
お父さんはこのことを聞いてきました。
「そうだな」
「ええ、卒業した時にね」
今さっきのことです、はっきり答えることが出来ました。
「終わったわ」
「だったらな」
「もうこのままっていうのね」
「車に乗ってな」
そしてというのです。
「まずは大教会に行くぞ」
「大教会で大教会長さんに卒業のことをお話させてもらって」
「それから帰るぞ」
神戸の実家にというのです。
「いいな」
「それで入学までは神戸にいるのね」
「そうだ、ゆっくりしていいからな」
神戸つまり実家にいる間はというのです。
「だからな」
「ええ、じゃあね」
「今から車に乗るか、いや」
「いや?」
「少しお話してきたらどうだ?」
ふとです、お父さんは私にこう言ってきました。
「そうしたらどうだ?」
「えっ、誰と?」
お話と言われても、でした。誰のことかわからないのでお父さんに怪訝な顔になって言葉を返しました。
「一体」
「ほら、あの子だよ」
「先輩卒業おめでとうございます」
詰所の入り口から阿波野君がきました、満面の笑顔でした。
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