第40話 =ギリギリセーフ=
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ような道を選んで俺は
壁を蹴り跳んでいた。
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何故それが助けを求める物だと理解できたかは多分、そんな展開にあこがれていた自分が昔いたからだろう…仲間のピンチをそ
の寸前で助けるというアニメみたいな主人公に。
「……だから、偶然だったんだよ」
「…なるほどね……でも私はそれで助かったのよね…」
ユカが助かった、と思うのならそれでいいだろう。俺はゴドフリーさんも助けたかったけど…
「……ありが……嘘…」
途中で言葉を切ったユカに「どうした?」と俺が聞く前に恐らくユカが見ていると思われる光景を俺も見てしまって、同じく言
葉をなくす。
キリトがアスナの肩をつかみ自身の唇をアスナにくっつけていたからだ。
その行為にアスナも反射で抵抗しようと顔、体を動かして押しのけようとしたがキリトに完全に掴まっていて逃れることが出来
ていない。観念したのか…違うな、受け入れたんだろう。アスナがキリトに身を任せ目を閉じているのがここから確認できた。
「……ね、ねぇ…リクヤ…」
「な、なんでしょうか…」
なんだっけな、これ…どこかで聞いた覚えが…あ、ギャルゲー展開ってこういった物を言うんだね。確かテイルズの作品の中で
も同じような展開があったっけ…アレのためにわざわざハードも買ったんだけど…うん、いい思い出だ。
などと隣にいる幼馴染の声を無視するかのごとく思考の海に溺れていきたかった。でも無視するのはいけないという良心も少な
からず存在する…というか無視したら後々精神的に殺されそうなので空返事だが答える。
「…こっち向きなさいよ…」
「いや、なんでだよ」
俺は前の方でキスしてる2人にも、ユカにも目を向けないように何もない岩壁の方向に視線を移していた。
いや、だって人のキスシーンとか見てるこっちが恥ずかしいじゃん…その恥ずかしい顔を見られるって思うのもさらに恥ずかし
いし…と思っていると突然両頬に手を添えられ無理やり違う方向を向けさせられた。
「ちょ…ユ…っ!?」
「……!」
俺の顔の方向を向けた本人、ユカが俺に唇をくっつけてきた。それも、俺の口に…。今の状況は2組の男女が距離を置いてそれ
ぞれキスをしているという他人から見たらものすごい光景になっていると思う。突然のことに驚きまず動けなかったが状況が理
解できたときには持てる力を全部使いユカを引きはがしていた。
「な、何してん……無理やりしてそのまま眠るってどういう神経してんだよ」
引きはがすも倒れないように肩をつかんで自分から少し引き離すと静かに寝息を立てている投剣使いが目に入った。その表情は
安心からか小さな笑顔を浮かべており、なんか妹みたいで自然と俺も笑っていた
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