第40話 =ギリギリセーフ=
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ク……やっぱり馬鹿だなぁ!!!」
「…リクヤっ!!」
「それはお前だろ?」
左足に体重をかけスキルを発動させる。『アラウンドステップ』を…。このおかげで普通じゃありえないスピード、といっても姿が消えるなんて大層なものじゃないけど…でも、これのおかげで自動的にマルベリーの左側に回り込むことが出来た。
剣士…いやこのSAOプレイヤーは常に背後の警戒は怠ってはいけない。それを怠る=死に繋がるからだ。キリトのような片手剣を使うプレイヤーとかアスナやユカ、サチのような敏捷値の高いプレイヤーは緊急で離れることも可能だろうがアックス使いや俺のような大剣使いはそうはいかない…まぁ、それをこのスキルで俺は補ってるわけだけど。
でも、これもタイミングが命なので後ろにはやはり気を配っておかなければならない。ミスったらこちらにも隙が生まれてしまうから…
ということで俺が後ろを向いたときが隙だと思ったのかメニューを開き新たな剣を振り下ろそうとしたんだろう…でもそれは見事にかわされて逆に隙だらけになっていた。突然の瞬間移動みたいな出来事にマルベリーは目を見開いて驚いている。
「じゃあな…」
そのままオータムリリィを抜刀、その勢いで首を境にして2つに斬り分ける。その勢いで急速にHPバーは減っていき、俺の見ている中、マルベリーのHPバーは空っぽになりこのゲームでのゲームオーバー…すなわち≪死≫を迎えた。
「ひ、人殺し野郎が…!お前がいなけりゃあの女を俺」
まだ意識があったのか首だけで話し出すマルベリーだったがナーヴギアの起動時間になったのかその頭はポリゴンと化しその言葉は言い終わることはなかった。
…あの女を俺のものに出来たのに、とでも言いたそうだったな……それに、人殺しって罪ならすでに被ってるよ…
そんなことを思いながらクラスメイトのはずのポリゴンの破片を俺はずっと見ていた。
でも…リアルで少なくとも知り合いだったやつを殺しても何にも感じないって本当にどこかイカれてるのかな…
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「…大丈夫か、ユカ?」
「うん…私は大丈夫…」
「そっか……よかった」
時間も経ち、ユカも体の自由が利き始めたらしく俺の肩にもたれながらもふらふらしながら立つことが出来ている。
向こうを見るとどうやらクライマックスって言い方も変かもしれないけどクラディールの体に黄色の光を纏ったキリトの拳が深々と突き刺さっておりその直後にクラディールはポリゴンへと姿を変えた。
「…あっちも終わったな…」
「えぇ……そういえば、なんでここまでこれたの?」
ユカが言うにはユカたちがここまで来るのにおよそ1時間かかったらしい。約5kmにどんだけ時間かけてんだよ、とつっこみかけ
たけどゴドフリーさんだか
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