第40話 =ギリギリセーフ=
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「…リクヤ…!」
そう俺の名前を呼び目には涙を浮かべているユカだがその涙は表情から見ると恐怖ではなく喜びだろう。実際に俺も間に合ったときは本当にうれしかった。多分、自分の力で初めて大切な仲間を守ることが出来たんだからな。
…でも、お互い喜び合うのはもう少し後、か。
「お、お前…なんで…いや、どうしてここまで来れたんだよ!!」
そういいながらこちらをにらみ剣を構えるマルベリーが立ち上がったからだ。まだまだ抵抗するらしい、諦めて逃げればいいも
のを。
「…よっこいせっと」
「キャッ!」
その言葉を無視して俺はそのままユカの体を持ち上げて背中と膝の裏に腕を入れる…いわゆるお姫様抱っこをして安全なところ
…まぁ、キリトの近くだがそこまで移動させる。それにしても俺が筋力値を上げ過ぎているせいと恐らくユカが布装備と言うこともあってかとても軽く感じた。
「…待ってろ…すぐ終わらす」「…待っててね。すぐ終わらせるから…」
隣を見ると、同じような言葉を大事な人に投げかけるアスナが見えた。こいつは多分、クラディールと決着をつけるのだろう。
俺は…あのマルベリーとか言うあの男との決着をつけるために背中、腰から2本ずつ剣を抜き前へ歩み出る。
俺とアスナはマルベリーをクラディールの真逆に飛ばしたためそれぞれ反対に歩を進めていた。
「く、来るな!」
「俺の幼馴染がお世話になったみたいだな…」
多分、いつもなら…現実なら俺よりもかっこいいって言われているヤツだったんだろうが今はその真逆、その顔はぐちゃぐちゃになっており人間のものとは言いがたいものに近かった。その顔にある恐らく口な部分に向けて右で持っているオータムリリィで切り裂く。普通の突き攻撃、しかも手加減しているからそんなにHPは減っていない。
「ぶぁっ!……てめぇ…調子に乗りやがって…ハッ、ちょうどいい。どうせお前を殺してから奪うことも考え…ぐぁ!?」
奪うと言う言葉を聴いた瞬間、俺は左のキャリバーンを逆手に持ち替えその柄で思いっきりマルベリーを殴っていた。
いや、自分で殴ったんだけど…
多分、周りから見れば今の俺はいつもの俺とは違う、って思うやつもいるだろう…それはすでに自覚している。今の俺ならこいつをためらいもなく殺すことが出来るだろう…
「言いたいことはそれだけか…!!」
さらに逆手のまま斬り上げて左腕をそのまま切断し部位欠損状態に陥らせる。少しずつ、HPが減っていくのが見えるがそれを気にせずに胴体に一閃、ガクンとバーを削らせる。
「く、くそぉっ!!!」
残った右手でこれまた派手に装飾された剣で振りかぶってくるけどその剣の腹にオータムリリィを打ちつけ外へと弾く。俺が狙
ったのはそれだけではな
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