第64話
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――いずれ叔父が帝国で内戦を引き起こすであろうことを予感しながら。」
「え……」
「な…………」
「そんなガキの時分から去年の内戦を読んでたのか!?」
ミュゼが口にした驚愕の事実に血相を変えたトワは呆けた声を出し、アンゼリカは絶句し、アッシュは信じられない表情で声を上げた。
「はい、叔父の本質にカイエンの財力。他の四大名門やRFグループの状況……クロスベルや共和国、メンフィルとの関係、そして鉄血宰相ギリアス・オズボーン。ふふ、”結社”や”騎神”、それにメンフィルや”六銃士”――――――いえ、”異世界ディル=リフィーナ”なんていう不可思議な要素もありましたが……革新派の台頭を抑えきれない貴族派が力ずくで押さえ込む局面は見えました。そしてそれがカイエン公――――――叔父クロワールの破滅とメンフィル帝国との戦争勃発の引き金を引く事で終わる事も。」
「………………」
「……ハッタリじゃ無さそうだね。こと君に関しては。」
ミュゼの話を聞いたトワは驚きのあまり呆然とし、アンゼリカは真剣な表情でミュゼを見つめた。
「私が公女から連絡を受けたのは内戦が終わってすぐのことでな。幼少よりイーグレット伯の縁で顔見知りの娘ではあったが……メンフィル帝国との戦争勃発へ至る流れと、クロスベル帝国の建国、そしてメンフィル帝国との連合まで予見したことで心を決めたのだ。あの強欲なバラッド候でもなく、才や性格は文句なしでも他国に帰属する事を決められたユーディット・キュア姉妹でもなく……この方を次期カイエン公と仰ごうと。しかし、国家総動員法に、共和国の滅亡、エレボニアで何かの”呪い”が発動する可能性まで――――――”半年前の時点で全て予見していた”のは今更ながらに驚愕を禁じ得ないがな。」
オーレリア将軍は自分がミュゼに忠誠を誓った経緯を語った後苦笑しながらミュゼに視線を向けた。
「……そ、れは……」
「……化物かよ…………」
「半年前……なるほどね。そういえばその頃は例の”教団”の事件によって”六銃士”がクロスベル警察、警備隊の上層部に就任してクロスベルに根を下ろした頃だったわね。」
「未来予知……ううん、違うのか。」
オーレリア将軍の話を聞いたトワとクロウは信じられない表情でミュゼを見つめ、ある事に気づいたレンは意味ありげな笑みを浮かべ、フィーは真剣な表情でミュゼの事について推測した。
「ええ、ただわたくしは”盤面”が見えるだけです。現在の局面、そこに至る過去と無数に展開しうる未来の局面が。―――何よりも、それを現在、動かしている”何者か”の狙いが。”盤面”を動かしているのは間違いなくオズボーン宰相でした。オリヴァルト殿下もそれに気づき、色々な手を打たれていましたが……あと一歩、宰相の深い所までは見通せていないように思えたんです。そこで私は布石を打ち
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