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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第64話
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「ハッ、その意見に関しては俺も賛成だ。――――――俺達が今できる事の為にもまずは”アルスター”に向かおうぜ。」
小悪魔な笑みを浮かべたレンの指摘に反論できないトワが複雑そうな表情で答えを濁している中クロウは鼻を鳴らした後気を取り直してトワ達に先に進むように促した。

その後ロッジを出て山道を進み、街道を抜けて廃墟となっているアルスターを抜けたトワ達はアルスターの北にある盆地――――――”オスギリアス盆地”を探索していると、大量の黒焔のプレロマ草が咲いている場所に飛行艇が一機停泊しているのを見つけた。

〜オスギリアス盆地〜

「あ、あれは……!」
「パンダグリュエルに搭載された揚陸艇か。」
「ハッ……あの赤黒い花も咲き乱れてやがるな。そして――――――予想外の邂逅ってヤツか。」
飛行艇――――――パンダグリュエルに搭載されている揚陸艇を見つけたトワは驚き、クロウは真剣な表情で呟き、周囲を見回して鼻を鳴らしたアッシュはミュゼとオーレリア将軍に視線を向けた。そしてトワ達はミュゼ達に近づいてミュゼ達と対峙した。
「ミュゼ君……それにオーレリア将軍も……」
「フッ、まさかこのような形で其方達と邂逅することになるとはな――――――有角の若獅子たちよ。」
「ふふっ、なるほど。やはりこの辺りが例の”特異点”ですか。――――――レン皇女殿下に関しましてはお初にお目にかかりますわね。わたくしはミルディーヌ――――――ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン。暫定エレボニア側のカイエン公爵家当主にしてヴァイスラント新生軍のスポンサーです。このような形にはなりますがお会いできて光栄ですわ。以後お見知りおきください。」
アンゼリカが複雑そうな表情でミュゼ達を見つめている中オーレリア将軍は静かな笑みを浮かべ、周囲に咲き乱れている黒焔のプレロマ草を見回して事情を察したミュゼは静かな笑みを浮かべた後レンに視線を向けて上品な会釈をして自己紹介をした。
「うふふ、レンも内戦の敗戦や前カイエン公の逮捕等で風前の灯だった貴族連合軍を僅かな期間で立て直して、ユミルの件でメンフィルの印象が最悪だった貴族連合軍とメンフィル・クロスベル連合に同盟関係にする事ができた”ユーディット嬢を遥かに超えるカイエン公爵家の真の才媛”たる貴女と会えて光栄ね♪」
「いえいえ、ユーディお姉様と比べればわたくし等まだまだ小娘ですわ。」
レンの言葉に対してミュゼは謙遜した様子で答えた後自分の事について語り始めた。

「ミュゼというのは幼い頃の愛称……亡き両親が呼んでいたものでした。ですが両親が事故で亡くなって跡継ぎが叔父クロワールに代わり……叔父がカイエン公を継ぐにあたり、わたくしは帝都に遠ざけられました。アストライアの初等科に封じ込められ10年近くを過ごしたんです。――――
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