第三章
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「それはそれでな」
「いやらしいってだね」
「なってな」
「そこでそうなるのって日本だね」
「それで野郎歌舞伎になってな」
普通の男達が演じる歌舞伎だ。
「今に至るんだよ」
「実際は若衆も出てたよね」
「もうそこは幕府も大目に見たんだろうな」
「そうだったんだね」
「ああ、それでシェークスピアはな」
あらためてこちらの話に戻った。
「欧州はキリスト教だろ」
「うん、あの宗教だね」
「何といってもな、あの宗教はな」
キリスト教、この宗教はというのだ。
「男尊女卑凄いだろ」
「実はそうなんだよね」
「いまでこそ色々言われているけれどな」
「それでもだね」
「あの宗教基本男尊女卑なんだよ」
「アダムとイブから」
「それでな」
だからだというのだ。
「シェークスピアを演じていたのもな」
「男だけだったんだ」
「最初はな」
「じゃあ僕にしても」
「とりあえず男性キャラを女の子が演じるのは置くな」
今回のクラスの出しものでというのだ。
「それでもな」
「ティターニャもだね」
「最初は男の人が演じていたんだよ」
「歌舞伎の女形みたいに」
「そのままな、だからな」
「僕が演じてもだね」
「いいだろ、じゃあな」
彼は太一にさらに話した。
「やってみろよ」
「それじゃあね」
太一も頷いた、そうしてだった。
ティターニャを自ら進んで演じた、そのうえで本番に挑んだがその前に衣装合わせをしてみるとだった。
クラスの女子達が苦笑いになって口々に言った。
「やれやれだね」
「本当に」
「何ていうかね」
「私達超えてるじゃない」
「それも軽々と」
「もうそれこそ」
「リアル妖精の女王様じゃない」
それこそというのだ。
「もうこれはね」
「最強じゃない」
「クラス一の美少女?」
「若しかしたら学校一かも」
「何ていうかね」
「凄い美少女に見えるわ」
「何ていうか」
ここでまた言うタイツだった。
「僕そんなに奇麗かな」
「奇麗も奇麗」
「本当に女王様に見えるわ」
「妖精の女王様にね」
「ティターニャそのものよ」
「そんなにいいかな」
ここで太一はクラスの窓を見た、そこに映る自分の姿を見た、そうしてそのうえでこう言ったのだった。
「自分じゃないみたいだね」
「メイクもしてるし」
「本当にね」
「美人さんでしょ」
「自分でもそう思うでしょ」
「嘘みたいだよ」
こうも言うのだった。
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