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銅像の姿
第一章

[2]次話
                 銅像の姿
 ハワイ諸島が統一されて数十年以上経った、ここでハワイの中である声があがった。
「もう百年だしな」
「キャプテン=クックがこの諸島を発見して」
「統一して結構経っているしな」
「それならいい機会だ」
「その百年を記念して記念のものを造ろう」
「何かそんなものを」
 こうした話が出てだった、王であったカラカウアは一つの断を下した。
「ならばこの諸島を統一したあの方の像でどうか」
「カメハメハ一世のですか」
「大王の像をですか」
「発見から百年の記念品として造るべきですか」
「陛下はそうお考えですか」
「それでどうだろうか」
 王は周りの者達に言った、堂々たる顔立ちと姿勢で黒髪は短くし頬と口素を見事な黒髭で覆っている。軍服もよく似合っている。
「この度は」
「確かに。このハワイで最も偉大な方です」
「この島を統一されたのですから」
「記念としてもいいですし」
「ハワイの象徴としてもいいですね」
「私もそう思うからだ」
 だからこそとだ、王は言うのだった。
「こう述べたが」
「いいですね」
「ではですね」
「あの方の銅像を造りましょう」
「この度は」
「そうしましょう」
 こうしたことを話してだ、そのうえでだった。
 ハワイ王国はクックが王国が領土としている諸島を発見した百周年を記念してカメハメハ一世、大王と呼ばれるこの偉大な人物の銅像を造ることにした。
 すぐにイタリアの方に頼んで造ってハワイに送ってもらうことになった、銅像は程なく完成して船に乗せられてハワイまで運ばれることになったが。
 その報告を聞いて王は苦い顔で述べた。
「どうしてもな」
「あることですか」
「海では常だ」
 報を届けた若い士官に答えた。
「それはわかるな」
「はい、このハワイは海の中にあります」
 士官は王に毅然として答えた。
「周りは全て海です、ならば」
「誰もが海のことは知っているな」
「海では船は沈むものです」
「万全を期していても沈む時は沈む」
 王が今言うのはこのことだった。
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