第三章
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「そこでご馳走するふりをしてな」
「そこに毒を入れて」
「殺してですね」
「死体はここまで持って来て」
「そうして埋めるんですね」
「俺が見たのもそうだったしな」
そうした場面だったというのです。
「だからだよ」
「じゃあです」
ここでペドロが閃いて樵に言いました。
「まず僕達が樵さんの斧をあの夫婦のところに持って行きます」
「俺の?」
「はい、そして」
そのうえでというのです。
「殺した証拠としてです」
「あの夫婦に見せるのか」
「そうしましょう」
「かなり大きな斧ですが」
今度は大柄なパオロが言ってきました。
「僕なら楽に持てますし」
「倒せるんだね」
「はい、ですから」
「ここはだね」
「僕達に任せて下さい」
こう言ってでした、二人はまずは斧を持って街に戻り宿屋の夫婦にその斧を見せて彼等にお話しました。
「山賊の大男を倒してきました」
「そうしてきました」
「この斧が証拠です」
「大男の斧ですね」
「そうだよ、じゃあ宿代はただにして」
親父は二人の言葉とその斧を見て微笑みました、そうして言うのでした。
「ご馳走もしよう」
「私が腕によりをかけて作るからね」
今度はおかみが言ってきました。
「どんどん食べてね」
「そうさせてもらいます」
「それじゃあ」
二人は顔では笑顔でしたがわかっていました、それでです。
宿屋に用意してもらったお部屋に入ってそこでおかみが作ったというご馳走を食べることになりました。ですが。
ここで、です。二人はまずは犬にご馳走の匂いを嗅がせますと。
犬はすぐに嫌そうなお顔になってご馳走から顔を背けさせました、それで二人は犬と共にこっそりとでした。
ご馳走を袋に入れて宿屋のお部屋の窓からお外に出ました、そのうえで警察にそのご馳走を差し出してお話しました。
「あの宿屋の食べものですが」
「毒が入っています」
「そして実は」
「こうした事情で」
大男とのお話もお巡りさん達にお話します、するとお巡りさん達のお顔もみるみるうちに変わってきました。
「これは大変だ」
「そんな奴がこの街にいるのか」
「そんな悪党が」
「恐ろしいことだぞ」
「この食べものも」
ここで、でした。兄弟は警察犬に差し出すとです。
警察犬はぷい、と兄弟が連れている犬と同じく嫌そうなお顔になって背けました。お巡りさん達はその警察犬の態度を見て確信しました。
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