第163話
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のベットに?」
「その・・・恭介の傍なら見ないと思ったから。」
「単純すぎるだろ。」
「迷惑だった?」
背中を向けているから、制理は麻生の表情が分からない。
なので、顔色を窺うような口調で聞いた。
軽くため息を吐いて、麻生は言う。
「好きにしろ。」
その言葉を聞いて、制理は思わず笑みを浮かべてしまう。
「うん、好きにする。」
少ししてから制理の寝息が聞こえた。
さっさと寝よう、と思った時だった。
再び扉が開く音がした。
それを聞いて、重いため息を吐く。
やってきたのは桔梗だった。
制理が既にベットで寝ているのを確認して、麻生と向かう合うようにベットに入ってきた。
「お前、大人だよな?」
「ええ、そうなるわね。」
「その大人が高校一年生のベットに潜り込むってどういうことだ?」
「彼女と同じ理由かしらね。」
彼女とは後ろで健やかに寝息を立てている制理の事だろう。
桔梗もあの猟犬の影響を受けている。
「てか、お前寝た筈だろ。」
「あの夢の事を思い出してね。
ちょっと怖くなって。」
麻生は向かう合うのをやめて、天井の方に視線を向ける。
「勝手にしろ。」
「勝手にさせてもらうわね。」
嬉しそうな声をしながら、桔梗も数分で寝息を立てた。
麻生達が寝ているベットは多くて二人しか寝れない。
三人も寝れば確実に許容オーバーである。
それが分かっているのか。
両サイドの二人は麻生を圧迫するように、寄り添ってきた。
寝息や髪の匂い、胸などが麻生を襲う。
本来、一般の男性なら理性なんてものは一瞬で破壊されるかもしれない。
しかし、しつこいようだが麻生は普通ではない。
こんな状況でも平然と寝てしまうのが麻生恭介だ。
という訳で、麻生は少し暑苦しいと思うだけで、普通に寝始めたのだった。
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