第163話
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がら麻生は思った。
茶碗に炊き立ての米を入れて、テーブルに持っていく。
「さっさと食べるか。
冷めても美味しくはならない。」
三人でいただきます、と合掌して食べる。
制理は出来たてのとんかつを口に運んで、眼を見開いた。
その表情を見て桔梗はニヤリ、と笑みを浮かべる。
「美味しい。」
「でしょう。
こんな料理を毎日食べられるなんて、もう最高よ。」
とんかつを食べながら、桔梗は少しテンションが上がっているようだ。
「たかがとんかつだろう。
第一、俺は隠し味も何も使っていない。
一般的な調理方法を使っただけだ。」
「それでも美味しい物は美味しいのよ。」
昼頃のあの暗い雰囲気はどこに行ったのか。
あれは演技だったんじゃないだろうか、と疑いたくなる。
三〇分もしない内に、麻生が作った料理は食べ終わった。
三人分の皿を洗おうと、洗面台に持っていこうとするが制理に止められる。
「貴方が料理を作ったのだから、休んでなさい。
私が皿を洗うから。」
麻生の意見を聞く事なく、勝手に皿を持っていく。
ふと、桔梗の方に視線を向けると大きく欠伸をしていた。
久しぶりの食事をとり、睡眠不足も相まってか眠たくなったのだろう。
「桔梗、眠いだろう。
風呂の準備をするから入ってすぐに寝ろ。」
眠そうな顔をしながら、コクン、と頷いた。
風呂の準備をし終えてリビングに戻る。
それを見た桔梗は寝間着を持って風呂場に向かった。
制理と雑談をしていると桔梗が風呂から上がってきた。
そのまま自分の部屋で寝ると言って、部屋に戻り、制理は風呂場に向かった。
彼女が上がってくるまで、ソファーで寝転んだりして暇を潰す。
数十分して制理が上がってくる。
保健室で寝たとはいえ、まだまだ寝たりないのか、眠そうな顔をしていた。
交代して風呂に入って、上がってきた時にはリビングには誰もいなかった。
制理も部屋で寝ているのだろう、と考え麻生も自分の部屋に戻る。
麻生がいる部屋は、一方通行が使っていた部屋だ。
ちなみに制理と桔梗は一緒の部屋で寝ている。
起きていても仕方がないので、麻生も寝ようと考えてベットに寝転ぶ。
寝転び始めて三〇分くらいしてからだろうか。
部屋の扉が開く音がしたのは。
入ってくる人物など限られている。
「恭介、まだ起きてる?」
声は制理のモノだった。
ちょうど扉に背を向けるようにして寝ていたため、どんな表情でいるのか分からない。
だからだろうか。
麻生の了承を得ずに、制理はベットに入ってきた。
「何で入ってきた。」
背を向けながら麻生は聞いた。
「あの夢を見るかと思ったら寝れなくて。」
「だから、どうして俺
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