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Re:ひねくれヒーロー
第一部
死と共にはじまるものは、生である
愛は死よりも、死の恐怖よりも強い
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んぞ?」

仮面の下で嘲る声が聞こえる

「??あぁ、そうさな

 我が抜かれた、ただでさえ弱い体はもう、じきに果てる」

もう、心臓の音も止んだ
トビがまるで汚物を捨てるように投げ捨てた

「ならば大人しく封印されていろ」

そうそうニンゲン如きの思い通りになってたまるものか
いつもいつもお前達ニンゲンはそうやって我らを投げ捨てる
あの仔もそうだった

「抜かれて足りぬのであれば、詰めて満たせばよかろう?」

そう言って笑ってやれば、目が赤くぎらつきよった
全く、これだからニンゲンは好かんのだ

最後の術を発動させる

火があの仔を包み込み、我が尾を2本入り込ませた
もうこれ以上してやれることはない


あとはただ、成り行きを見守ろうぞ???







痛みと苦しみ、恨みと嘆きが合わさって胃の腑を燃やした
そのジクジクとした熱さが、黄泉路への灯火だということを知った

白い柔らかなシーツの冷たさが、体の火照りを冷ましてくれる
なかば炭化していた右腕を動かそうと力を込める
診てくれた医者の腕が良かったのか、なんとか動かせた

「・・・あ゛の゛ばぐばづま゛・・・
 いづがぜっでーなぐ・・・げほっ」

口内に溜まった血で噎せ返る
2、3分ほど噎せ続け、ようやく落ち着いた


――何をやっていたんだろうか
意地をはったところで、現状をひっくり返せる力を持たない俺に何が出来たというのか
結局マダラに警戒され拷問を受け、洗い浚い吐いただけじゃないか
そうして死を待つだけの俺に、あの狐は何を考えていたのか
なんで俺なんかを助けた

お前なんか嫌いだったのに、恐がったのに

涙が溢れて止まらない


「おぉ、起きたか!」


白髪に赤い隈取り、眩しく笑った老人は、伝説の三忍・自来也
手に水の入った桶に真新しいタオル、どうやら助けてくれたのは彼らしい
礼を言うことも忘れ、溢れる涙をぬぐうことも忘れ、ただ呆然と口を開いただけだった




え、これ、どういうこと



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