第一部
死と共にはじまるものは、生である
愛は死よりも、死の恐怖よりも強い
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能がない、との判断が下され一生幽閉されることが決定した
理由は簡単
チャクラコントロールが出来なかったのだ
いや、そもそも文字を習得しただけの段階で、教科書だけでチャクラとかいう意味のわからんものをコントロールさせようというのが間違いなのであって!
俺自身に問題はない!・・・と、断言出来ればいいのだけれども
虚弱体質である俺は、生まれつき忍者に向いていないと言われていた
九尾が入ったまま、地下暮らし
出来ることは読書(宗教関連のみ)だけ
思わず涙が出てくる
せめてもの救いは、九尾が割と友好的だということだろう
いや、もっと小さい頃は体を乗っ取ろうと、画策してたらしいのだが
精神世界で殺気を向けられる度に失神、発熱、生死の境を彷徨うという流れが確立し、こりゃいかんと
こいつこのままだと死ぬわと思った九尾
どうやら少しばかり・・・絆されてくれたようです
その発熱の影響か、俺の記憶はここ最近まで混乱が見られる
そして九尾=命に関わるという図式が体に刻みこまれたため、声をかけられただけで気絶する始末
完全にトラウマですありがとうございました
最近は少しマシになってきたのだけれど、声を荒げられるとすぐ気絶してしまう
いいよ不貞寝するから
それぐらいしか出来ないからな
傍に控える医療忍者から毛布を受け取り、祭壇の前で寝ころぶ
え、罰あたり?
昔っからこうだし、怒られもしないから大丈夫じゃないかな
チャクラコントロールが出来たら、もっと俺違ってたのかな
才能 があったら、ナルトみたいにアカデミー通って、友達作れて、忍者になれたかな
せめて体が丈夫だったら、ロック・リーみたいに体術で頑張れたかな
なんで俺、こんな体に生まれてきたんだろう
才能があれば
もっと丈夫な体なら
・・・そもそも、転生なんて、なければ
こんなことには、ならなかった
妬ましい、とはこの事だろうか
憎い、とはこの事だろうか
なんで俺をこんな風に転生させたんだろう神様は
見たこともない、居るのかもわからない神をただただ信じて
なかば八つ当たりのようにその存在にケチつけて
頭を抱えてしまったりして
「・・・ううっ・・・」
抑えきれない嗚咽が零れる
なんでもないのに、こうなったことは仕方がないのに
毛布にくるまり、口元を押さえる
泣けば全部すっきりする
いやな気持ちは、全部涙が溶かしてくれる
そう信じて、泣き続けた
◆
暗く、黒い涙が落ちてくる
この狭いとも、広いとも言える牢獄に溢れだしている
どうしようもない恨みと妬み、そしてほんのわずかの怒りが溢れている
あの小さな宿主が泣いているのだろう
正気を取り戻して泣いてい
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