第一部
死と共にはじまるものは、生である
愛は死よりも、死の恐怖よりも強い
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そんな額当てがあっただろうか
もう長い間ナルトは読んでいないから新キャラだろうか、それともアニメのお約束、オリジナルだろうか
現実から逃げるように他愛ない事を考える
「・・・泣きもしないとは・・・気味の悪い器だ」
「いや全く・・・九尾の人柱力といえども、もう少し赤子らしさが見たかったですな」
九尾?
人柱力?どういうことだ、ナルトはどうしたんだ、四代目はどうした、お前らは何者だ?
どうして器と言って俺を見てるんだ
疑問が胸にうずまき、叫びは言葉にならずただ音となってかき消えた
「封印は無事に施された
しかし適合するかどうかはまだ分らぬ
地下神殿にて隔離せよ」
ターバン男が俺を抱き上げ、白衣の男たちに指示を出す
いくら忍者といっても、簡単に横抱き出来るほど俺は小さくなかった
俺は転生したのか?
赤ん坊から、一からやり直しなのか?
「畏まりました
もしものために医療忍者を数名傍に付かせます
・・・里長、姉君の、・・・御遺体はどう処理いたしましょうか」
酷く言いづらそうに、合間合間に青年を見る
「我が姉と言えど、こ奴は先代人柱力
他里に暴かれぬよう荼毘にふし、地下神殿に無縁仏として処理せよ」
短い返事を残し白衣の男たちは去って行った
麻袋に詰められたナニカを持って
「・・・恨むなら、好きなだけ恨め
お前から平凡な人生を奪ったこの叔父を、この月隠れの里長を・・・恨んで生きていけ」
男は震えながら俺を抱きしめて、諦めたかのように呟いた
一体何を諦めているのか
オレにはわからないことだらけで、ただこの男を静かに見つめることしか出来なかった
叔父だと言ったこの男を恨むには、この人は少し優し過ぎて恨めないと思った
◇
今日は6度目の10月10日
この世界に転生した最初の日、俺の誕生日
太陽の当たらぬ地下神殿、そこが俺の唯一の居場所
大いなる化け物を、尾獣を封印している巫子さまとして恐れられ、敬われ、軟禁されている
供え物を運んでくる周辺住人と面会する以外、何一つすることがない
いつも傍で控える、医療忍者から情報を収集することで暇をつぶし、愚痴をこぼす
分っていることは、この世界はNARUTOによく似た別世界だということ
木の葉という里は存在しないということ、そもそも火の国自体が存在していないこと
この国は火ではなく、日の国、太陽神を奉る小国
そんな太陽神のもと、御国のために働く月隠れの忍び里
ここが、俺の生まれた場所
そして今日、誕生日でありながら悲しいお知らせが届いた
戦争兵器として扱うべく、大切に、しかし放置気味に育成されていたにも関わらず
俺には忍者の才
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