第六章
[8]前話
「受けてもらってよかったわ」
「まあ断られるとは思ってなかったけれどね」
「絶対にね」
「真帆ちゃんわかりやす過ぎるし」
「岸田君その真帆ちゃんの言うことについていってたし」
「彼もまんざらじゃないってね」
「それもわかったから」
だからだというのだ。
「彼性格いいしね」
「親切で気が利いてね」
「紳士だしね」
「そうした性格だからね」
「好きになるわよね」
「性格よ、人は」
真帆も言い切った。
「外見じゃないわよ」
「それよね」
「よく言われるけれど」
「真帆ちゃん実際にそうなのが凄いわ」
「まさに漢よ」
「女の子だけれどね」
クラスメイト達は言い切った真帆に笑顔で話した。
「そこでそう言うのがね」
「本当に凄いわよ」
「人間中々そうはいかないわよ」
「現実にはね」
「私だって外見に自信ないから」
真帆は少し小さくなった感じで話した。
「実は」
「お顔よね」
「その垂れ目のこと言ってるわね」
「いつも泣きそうなお顔に見えるって」
「それが嫌なのよね」
「眉の形もね、子供の頃なんか泣いてないのにね」
それでもだったというのだ。
「いつも泣いてるってね」
「そう言われてたのね」
「子供の頃は」
「そうだったのね」
「それで泣き虫って仇名だったの」
泣いていないがというのだ。
「それが嫌だったし」
「それでなのね」
「今もなのね」
「それがコンプレックスなのね」
「目と眉の形が」
「そうなの、外見じゃないっていうのはね」
このことはというのだ。
「私自身わかってるつもりだし」
「相手の子にもなのね」
「性格ね」
「まずは」
「そう思ってるから」
だからというののだ。
「今日のこともよ」
「岸田君がああした子だから」
「凄く性格がいいから」
「それでなのね」
「そう、チョコあげて」
本命のそれをだ。
「告白してね」
「無事に受けてもらって」
「それで今まで惚けてたのね」
「オーバーヒートになって」
「そうなの、いや本当によかったわ」
真帆は今度はこう言った。
「私幸せよ」
「よかったわね、本当に」
「そのことはお祝いさせてもらうわ」
「これからもね」
「有り難う、私彼とずっと幸せにやっていくわね」
真帆はクラスメイト達ににこりと笑って応えた、その顔はとても晴れやかで可愛らしく澄み切ったものだった。まるで素直になった時の彼女の心の様に。
ツンデレバレンタイン 完
2020・1・29
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