コラボ特別編:響き翔く天の道
本物はどっち?
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「響から離れろッ!!」
翔の後ろから聞こえた声に振り向く。
そこには、息を切らせて翔の方を睨み付ける、もう一人の翔の姿があった。
「翔くんが2人!?」
響が困惑する中、二人の翔が睨み合う。
「響、騙されるな!そいつはネイティブだ!」
「下がっているんだ響、あいつの方こそネイティブだ!」
響の隣に立つ翔は、響を庇うように立ち、構える。
後から現れた翔はその姿を見て、苦虫を噛み潰したような顔をした。
「お前、響を誑かそうってのか!」
「お前の方こそ、気安く響の名前を呼ぶんじゃないッ!」
「何をッ!」
二人の視線には鬼気迫るものがあり、今すぐにでも、取っ組み合いが始まりかねないほど険悪だ。
「それで、どっちが本物なの!?」
「「俺だ!!」」
「それじゃ分からないってば!!」
寸分違わず同じタイミングで答える翔達に、響は両手で頭を抱えた。
擬態したワームやネイティブは、その人間の姿のみでなく、遺伝子、記憶、持ち物まで完全にコピーする。
その性質上、本人と見分けるのはとても困難だ。
(考えろ……俺だけに出来て、ネイティブに真似出来ないもの……)
睨み合いながら思案していた翔の脳裏に、光明が走った。
(そうだ、聖詠なら!)
シンフォギアを装着する際に装者が口ずさむ聖詠は、個々人だけのものだ。
聖遺物が適合者の脳裏に浮かばせる、ギアの固有始動コード。
これは本人のコピーと言えど、真似する事は出来ない。
「おい偽物、お前が本物だと言うのなら……その身に纏って見せろ!そのシンフォギアを!」
「ッ!?」
響からは見えないが、擬態翔の表情が一瞬強ばった。
(生弓矢を纏い次第、あのネイティブを突き飛ばして響を助ける。後は撤退しながら天道と合流すれば、行ける!)
翔がその胸に浮かぶ聖詠を唱えようとした、その時だった。
「──Toryu……ッ!?こいつはッ!」
「響ッ!目と鼻を塞げ!!」
「ッ!!」
運動公園の周囲を、黄色いガスが覆い始めたのだ。
ミイデラゴミムシ型……プェロフェソプスネイティブと名付けられた個体が吐く催涙ガスだ。
翔は慌てて目を瞑り、口と鼻を袖で覆うと、周囲の気配に耳を配った。
(くッ……プェロフェソプスとビエラが居ないと思ったが、そういう事か……!)
その頃、モニタリングを続けていた二課仮設本部では……。
「監視カメラが破壊されました!」
突如砂嵐になった画面に、藤尭からの報告が飛ぶ。
「他のカメラはどうした!?」
「それが……」
「プェロフェソプスネイティブ、周囲に高圧ガスを撒き散らしています!視界が閉ざされた直後にカメラを破壊され、モニタリングの継続が
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ