第五十三話 ドゥカーバンクの戦い・中編
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みつけると目と目が合った。
「悪いな……これも、トリステインの為だ、恨んでくれ!」
マクシミリアンの両眼が光った。『伝家の宝刀』の二つの光線が水竜の顎に直撃。分厚い皮膚を灰にする。
「まだまだ!」
さらに長く照射すると、破壊光線は周りの皮膚をじわじわと灰にし、内部の肉にまで達した。
悲鳴を上げる機能すら灰になったのか、声を上げる事も無く水竜の頭部は灰となって崩れ落ち大海原へ散っていった。
頭部を失った水竜は海へと沈んでいく。
それを見て戦意を失ったのか定かではないが、海獣達が退いていった。
「……終わりか?」
マクシミリアンは『エア・ジェット』を切って杖を振るい、足場となる1メイル程の小さな氷山を作ると、氷山の上に乗り腰を下ろした。 辺りには、強風をもいえる強い風が吹き、血で赤く染まった海と多くの海獣の死体が浮かんでいて、その光景と辺りに漂う強烈な血の臭いが、先ほどの死闘が夢ではない事を思い起こさせた。
(まだ、辺りに潜んでいるかもしれない)
マクシミリアンは、左足を海に沈め目を瞑るとソナーを唱えた。
左足からピンガーを発し、帰ってきた音が脳内で映像化される。
「……!」
マクシミリアンの顔はみるみる青くなった。
彼の真下に、200メイルもの巨大な物体を感じた。しかも、脳内に映った映像は、200メイルもの鯨がこちらに向けて巨大な口を開け氷山ごとマクシミリアンを飲み込もうと浮かび上がっている映像だった。
「ヤバイ!」
瞬間。氷山も周りの海面から二つの顎が飛び出した。
エア・ジェットで緊急離脱するが間に合わず、口だけでも数十メイルもある巨大な口にマクシミリアンは飲み込まれてしまった。
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