第五十三話 ドゥカーバンクの戦い・中編
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ちをした。
チラリと上空のベルギカ号へ視線を向けると、甲板には多くの水兵や士官達がこの戦いを固唾を呑んで見守っていた。
「……よし!」
事ここに至ってマクシミリアンは決心した。
「余り時間も掛けられない。オレ達の旅は始まったばかりだし、それに……」
マクシミリアンは何を思ったのか、いきなり海面へ向けて急降下を始めた!
「寒いからな!」
エア・ジェットを吹かして急行下したマクシミリアン。
ドオオオォォォン!
空気を裂く轟音が周辺に轟いた。音の壁を越えたマクシミリアンは更に速度を速める。
急降下中のマクシミリアンは、あわや海面に激突する寸前に、水竜の方に方向を変えた。
瞬間、凄まじい高さの水柱が起き、天高く跳ね上げられた海水は細かく空中に散らばって太陽光で蒸発し、霧の様な現象になった。
「何だこの霧!」
「見えないぞ!」
上空のベルギカ号では、突如起こった異変に右往左往していた。
この間にも、海面ギリギリをエア・ジェットへ滑空するマクシミリアン。
水竜は、水のブレスを海水をマクシミリアンに放つが、既に見切られたのか、最小限の動きで難なくかわされた。
獲物が海面に来たとあっては、他の海獣も黙ってはいない。
マクシミリアンと水竜との間の海が突如盛り上がり、30メイルの巨大なサメが、鯨のブリーチングの様に海面に飛び上がり、迫るマクシミリアンに向け巨大な顎を開き捕食しようした。
「ウォーター・ビット!」
マクシミリアンの後を追っていたウォーター・ビット達は、マクシミリアンの左右斜め上に展開しウォーター・ショットを発射、マクシミリアンの前方にウォーター・ショットで『網目』を作った。その『網目』に巨大なサメが突っ込んできて、哀れ巨大ザメは『ところてん』になる形で絶命した。
血煙が舞い、マクシミリアンは血煙から飛び出す様に水竜へと迫る。
水竜の長い首がボコリと風船の様に膨らんだ。最大出力の水のブレスを吐くつもりのようだ。
「!」
マクシミリアンも水竜の意図を察し更に加速。ウォーター・ビット達は着いて行けなり、マクシミリアンとウォーター・ビットとの差が開いた。
水竜の喉の膨らみは頂点に達し、遂に暴流ともいえる水のブレスを吐いた。
「ぐうううっ!」
マクシミリアンは、身体を思い切り捻り回避しようとした。
その際、回避する為に無茶な体勢をしてしまい、強烈なGを受け全身の骨という骨がが軋む。
「うおおおっ!!」
痛い思いをしたお陰か、触れるもの全てを削ぎ落とす水のブレスは、マクシミリアンを掠め巨大な水柱を上げるだけに留まった。
水竜の懐へと侵入したマクシミリアン。水竜を睨
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