第五十三話 ドゥカーバンクの戦い・中編
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の王子様が、また巨大海獣を屠ったからだ。
マクシミリアンは、20メイルもの巨大トドを『ジャベリン』の氷の槍でハリネズミにした。
それでも海獣の数は一向に減らない。
「危ない!」
アニエスは甲板から身を乗り出して叫んだ。
マクシミリアンの居る氷山の真下に、不穏な黒い影を見たからだ。
聴こえたのかどうかは定かではない。戦っていたマクシミリアンは真下を見ると、足の下から空気を噴き出して空へと逃げた。
それと同時に、足場にしていた氷山が粉々に割れ、巨大な竜が飛び出してきた。
海獣の中でも屈指の実力を持つ『水竜』が、マクシミリアンの前に現れたのだ。
☆ ☆ ☆
足下の氷山の下から殺気を感じたマクシミリアンは『エア・ジェット』で空へと逃げた。
その直感は正しかった様で、氷山から離れると同時に粉々になり、巨大な竜が飛び出してきた。
空へと逃げたマクシミリアンは、VTOL機の様に『エア・ジェット』によるホバリング状態で空中に立っていた。
「何だあれ!?」
突如、現れた巨大な竜を見て驚いた。見た事も聞いた事もの無い種類の竜だったからだ
水竜は、上空のマクシミリアンを、恐ろしい眼光を放ち睨みつけると、あんぐりと、その巨大な口を開くと細い水の線を放った。
「うおっ?」
凄まじい水流が、マクシミリアンを襲い、マクシミリアンは更に上空へ吹き飛ばされてしまった。
(ウォーター・ショットと同じ原理か、だが肉を削ぐほどじゃない!)
ここで再び、『エア・ジェット』を唱えたマクシミリアンは、空中でバランスを整え再びホバリング状態になった。
海上の水竜は『こっちへ来い』と言わんばかりに、マクシミリアンに向け口をパクパクさせている。
「ウォーター・ビット!」
マクシミリアンが号令を出すと、ベルギカ号の護衛を含めた32基、全てのウォーター・ビットがマクシミリアンの周りに展開した。
「一斉射!」
ビシュシュッ!
32の細い線が、一斉に水竜へ向けて放たれた。
が、水竜の硬い皮膚に阻まれ効果は得られない。
「効かない!?」
マクシミリアンのうろたえた顔を見て、気を良くした水竜がまた口を開けて水のブレスを吐いた。
「同じ手は食わない!」
『エア・ジェット』で急加速したマクシミリアンは、水のブレスを難なく避けた。この間にもウォーター・ビット達は水竜に向けウォーター・ショットのつるべ撃ちで牽制する。
だが、またも水竜の硬い皮膚に対しては傷一つ付かない。
「チッ」
思わず舌打
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