暁 〜小説投稿サイト〜
水の国の王は転生者
第五十三話 ドゥカーバンクの戦い・中編
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の王子様が、また巨大海獣を屠ったからだ。
 マクシミリアンは、20メイルもの巨大トドを『ジャベリン』の氷の槍でハリネズミにした。

 それでも海獣の数は一向に減らない。

「危ない!」

 アニエスは甲板から身を乗り出して叫んだ。
 マクシミリアンの居る氷山の真下に、不穏な黒い影を見たからだ。

 聴こえたのかどうかは定かではない。戦っていたマクシミリアンは真下を見ると、足の下から空気を噴き出して空へと逃げた。
 それと同時に、足場にしていた氷山が粉々に割れ、巨大な竜が飛び出してきた。

 海獣の中でも屈指の実力を持つ『水竜』が、マクシミリアンの前に現れたのだ。







                      ☆        ☆        ☆






 足下の氷山の下から殺気を感じたマクシミリアンは『エア・ジェット』で空へと逃げた。

 その直感は正しかった様で、氷山から離れると同時に粉々になり、巨大な竜が飛び出してきた。
 空へと逃げたマクシミリアンは、VTOL機の様に『エア・ジェット』によるホバリング状態で空中に立っていた。

「何だあれ!?」

 突如、現れた巨大な竜を見て驚いた。見た事も聞いた事もの無い種類の竜だったからだ

 水竜は、上空のマクシミリアンを、恐ろしい眼光を放ち睨みつけると、あんぐりと、その巨大な口を開くと細い水の線を放った。

「うおっ?」

 凄まじい水流が、マクシミリアンを襲い、マクシミリアンは更に上空へ吹き飛ばされてしまった。

(ウォーター・ショットと同じ原理か、だが肉を削ぐほどじゃない!)

 ここで再び、『エア・ジェット』を唱えたマクシミリアンは、空中でバランスを整え再びホバリング状態になった。

 海上の水竜は『こっちへ来い』と言わんばかりに、マクシミリアンに向け口をパクパクさせている。

「ウォーター・ビット!」

 マクシミリアンが号令を出すと、ベルギカ号の護衛を含めた32基、全てのウォーター・ビットがマクシミリアンの周りに展開した。

「一斉射!」

 ビシュシュッ!

 32の細い線が、一斉に水竜へ向けて放たれた。

 が、水竜の硬い皮膚に阻まれ効果は得られない。

「効かない!?」

 マクシミリアンのうろたえた顔を見て、気を良くした水竜がまた口を開けて水のブレスを吐いた。

「同じ手は食わない!」

 『エア・ジェット』で急加速したマクシミリアンは、水のブレスを難なく避けた。この間にもウォーター・ビット達は水竜に向けウォーター・ショットのつるべ撃ちで牽制する。

 だが、またも水竜の硬い皮膚に対しては傷一つ付かない。

「チッ」

 思わず舌打
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ