065話 文化祭編・一つの未来(03) 時間逆行
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きない。でも、10分くらい居眠りをしちゃうなんてことはたまにはあるからね」
「あ、ありがとうございます!」
それで高畑先生の間を抜けていく途中で、アスナさんには『がんばって』と声をかけて、私には、
「士郎を救ってくれ…」
そんな、懇願する声が聞こえてきた。
それで私は無言で頭を下げた。
―――Interlude
「頑張るんだよ、アスナ君。それにみんな……」
一同を見送ったタカミチはたばこでも吸おうかなと思っていた時だった。
『高畑先生……』
「ッ! 相坂くんか」
そこには幽霊の相坂さよが浮いていた。
「こんなところまで来てどうしたんだい…?」
『はい…。お伝えしておかないといけない事がありまして…』
「それは…?」
『私、士郎先生と使い魔の契約を結んだ仲だったんです…でも、士郎先生は死んじゃった後、私どうすればいいかと考えたんですが、それなら士郎先生の魂を呼び寄せればいいんじゃないかと思って…』
そう言いつつさよは手のひらを広げるとそこにはおぼろげながらも小さい霊魂があった。
「もしかして、この魂って……」
『はい。士郎先生のです。私の目覚めた能力でなんとか拡散せずに現世に留められています…』
「目覚めた能力って…それよりなら士郎は…?」
『はい…。今はまだ表層意識が薄いのか目覚めていませんが、私の能力『魂を1ランク上に昇華』でなんとかそのうち目を覚ますと思います…』
「本当かい!?」
さよが語った能力。
『魂を1ランク上に昇華』。
これは士郎達のもとの世界では第三魔法『魂の物質化』に似た能力になる。
士郎の死がきっかけで目覚めた能力ゆえにまだうまく使いこなせていないが、どうにかできれば死者蘇生も可能にできる能力である。
…………だが、本来の時間軸の彼女がこの能力に目覚める事は滅多にないだろう。
必死にあがいた結果、発現した能力なのだから。
「ああ……これでどうにかイリヤ君に顔向けできるかもしれない。彼女ならどうにか魔術でできるかもしれない」
『はい…。それなんですがー……当分は士郎先生の魂は私が預かっていても構いませんか…?』
「なぜだい…?」
『今はこうしてなんとか話し合えていますが、デメリットで私が今すぐにでも意識を手放すと士郎先生ともども悪霊化してしまうかもしれませんから…落ち着くまで私が責任をもって面倒を見ます…』
「そうか……そういう事なら仕方がないな。任せたよ、相坂君…」
『はい…それでは失礼しますね』
さよはそれで士郎の魂ともどもどこかへと消えてしまった。
それでも士郎を蘇生できるかもしれないという事態にタカミチは今もどこかで戦っているイリヤ達
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