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第百三十話 決戦!!ヴァーミリオン星域会戦です その3
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!何を臆することがある!!」
『シャロンシャロンシャロンシャロンシャロン!!』

指揮官が叱咤するが、いったん恐怖におびえた兵たちはともすれば発狂寸前にまで追い詰められ、叫び声を上げるか、泣き出すかのどちらかを迫られていた。

「クククク・・・・!!燃料エネルギーを満載した艦が爆発四散するだけでも被害は甚大になる。そのように設計したのだから・・・!!」

 シャロンは次々と艦隊に突進する民間船団を狂気の微笑を浮かべて見守っている。次々と防宙砲撃の網を潜り抜け、敵に突進し敵もろともに四散する姿があちこちで見られた。
 敵の妨害などものともせず、彼女は自分のオーラで彼女を狂信する教徒たちの声を帝国軍に拡散させ続けていた。

* * * * *

「・・・・・・・・・・。」

 ヤン・ウェンリーはヒューベリオン艦橋で、虐殺光景を眺めたまま身動き一つしない。彼の幕僚たちも同じだった。

「閣下!!」

 一つの声が切り裂くようにヤンの呪縛を解いた。彼が振り向くと、背後にユリアン少年と、そして彼とほぼ年恰好の似た青年が立っている。

「非礼を承知で申し上げます。ですが、今あなたはここでこのようにしていてよいのですか!?」
「君は――。」
「アルフレート・フォン・バウムガルデン大尉です。いえ、そのようなことは今はどうでもいい。閣下、あなたの目の前で起こっていること、これを是としてよいのですか?帝国軍は確かに私たちの敵です。ですが、その敵よりもずっと残虐な存在が、帝国軍よりもずっと残虐な殺し方を展開している。いや、もう人間として扱っていません!!自分たちの配下も敵もです!!」
「・・・・・・・・。」
「このままでは帝国軍は壊滅しますが、それ以上に自由惑星同盟の人間もまた死滅していきます!!それでいいんですか?!」
「それは――。」
「ヤン提督、いえ、閣下、僕からもお願いします!!こんなことは無茶苦茶です!!以前閣下もおっしゃっていたじゃないですか、自由惑星同盟があのようになってしまった以上、帝国と手を組むこともやむ無しって!!」

 ユリアンの言葉は少し前までであれば、問答無用でその場で殺されるに値するものだった。だが、今、ヤン艦隊の面々はシャロンに洗脳されている人間は一人もいないのだ。
 
 しかし――。

 ヤンの後姿は化石化したように動かなかった。動けなかったのである。

「閣下!!」
「お願いです!!」

 アルフレートとユリアンの声がヒューベリオンの艦橋に響いたが、ヤンは動かなかった。その視線は目の前に繰り広げられる錯綜するビームの驟雨、そして絶えず明滅する光球の輝きをただ、受けているだけであった。

「閣下、第三十艦隊より、通信が入っております!!」

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