第一部
Next Level
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
紫闇を見た。
紫闇は彼の言葉に痛感する。
自分の考えが浅かったと。
「江神の先……。そうだ、俺はあいつと戦って引退するわけじゃない。ならもっと先のことを考えて動かなきゃ。【魔神】になって大英雄の《朱衝義人》を超える為にも」
「期待以上の成果が出て何より」
「さあ。打心終天の実演と行こう」
レイアと焔は仕上げにかかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
レイアと紫闇が対峙。
紫闇は僅かな動きも見逃すまいとレイアの五体のあちこちを観察する。
レイアが目を動かす。
(これはフェイント)
今度は指先が動く。
(これも吊り)
紫闇は繰り返し行われるレイアのフェイントを読みながら動きに着いていく。
(ここだ!)
レイアの気を読んだ体が無意識に動き、双方は同時に踏み込んで直進。
紫闇の右手に【魔晄】が集束。
その手は黄金に輝くが握られていない。
眼前のレイアは驚いた顔。
しかし満足気。
(よくここまで成長したな紫闇……!)
昔から知っている身としては見違える。
紫闇の掌打がレイアの胸部へ。
骨が折れたような響き。
叩き込んだ紫闇が驚く程の手応えを表すようにレイアの体は真後ろに飛んだ。
今まで紫闇が出していた【禍孔雀】では一部しか破壊できないほど頑丈に作られた道場の壁を突き破り、何処までレイアが飛んでいくのか解らないようなパワーは衰えを見せない。
「一応は敷地を囲む壁に結界の発生装置を付けとるからそこで止まるじゃろうて。それにしても大した威力を出したもんじゃのう小僧」
弥以覇が微笑む。
「あたしの全力と同等以上かも」
焔は鈴飾りを鳴らして見届けた。
決勝の相手は《橘花 翔》
底の見えない強敵。
しかし不安は無い。
「あいつを倒す」
道場の壁に空いた穴からは紫闇を祝福するように朝日が射し込んでいた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ