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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第16話:最高のショー、その予約
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、あれ得意の手品だろッ!?」
「だったら? そこまで言うならタネ見破ってみろよ?」
「ぐぬぬ────!?」
2人の様子に今日はこのまま颯人が勝ち逃げ、奏は一日メイド服で過ごすことになるのかと弦十郎を含め二課の職員の誰もが思っていた。
その時、響が動いた。彼女は徐に颯人の右手を掴むと、何も言わずにそれを上下に振った。奏を揶揄う事に意識を向けていた颯人はそれを止める間もなかった。
すると──────
パラパラッ、パラッ
「「ッ!?」」
「あ……」
響が両手を上下させるのに合わせて、颯人の上着の袖口から数枚のトランプカードが舞い落ちた。絵柄は違うが、その全てにこう書かれていた。
『犯人は私です』…………と。
袖口から零れ落ちたカードを見て颯人と奏は固まり、あっさりとタネを見破った響は意外なほど気の抜けたような声を上げる。弦十郎を始め誰もがその光景を唖然と眺める中、颯人は黙ってカードを拾い集め──────
「────やっぱり仕掛けてやがったかぁぁぁっ!?」
「クソッ!? 響ちゃんにバレるのは流石に想定外だったッ!?」
再起動した奏の叫びで始まる恒例の追いかけっこ。奏は長いスカートを可能な限り手で持ってたくし上げた状態で颯人を追いかけた。正直傍から見るとかなり危険なレベルでたくし上げているのだが、奏自身も颯人もその事には気が付いていない。
あっという間に走って行ってしまった2人の後ろ姿を見送った響達。どうしたものかと呆然としている響に、弦十郎が感嘆の声を掛けた。
「…………響君、よくあの手品のタネが分かったな?」
「え? あぁ、いや、テレビなんかだと手品師とかイカサマ師って袖の中にカード隠してる事が多い印象だったからもしかしたらって思って。でもまさか本当にあるとは……」
「察するに、奏ちゃんが選んだカードを抜き取る寸前に袖に隠してたカードとすり替えたのね。見事な腕前だわ」
「あれ? でも颯人の奴、奏ちゃんが選んだカード以外も袖の中に隠してたみたいですよ? それに最初に奏ちゃんがカードを選んだ時は本当にランダムだった筈なのに──?」
了子の分析で一瞬颯人のマジックのタネが明らかになったかに思えたが、朔也の発言により再び不可解な事実が明らかとなる。
その謎に対して、弦十郎がある考察を述べる。
「……これは俺の勘だが、颯人君は触れただけでそれがどんなカードなのか分かるんじゃないか?」
「触れただけ…………ですか?」
「そうだ。昔映画か何かで見たことがある。優れたイカサマ師は、目で見ずとも開いた本が何ページなのかを知ることが出来ると言う。もしかすると彼も──」
弦十郎の考察に、朔也などはそんなまさかと言う顔をしていた。彼だけではない。この場に
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